永遠の1分。
劇場公開日:2022年3月4日
解説
「カメラを止めるな!」の上田慎一郎が脚本、「カメ止め」で撮影監督を務めた曽根剛がメガホンをとったヒューマンドラマ。「笑い」がもたらす癒しの力によって、人々が困難や葛藤を乗り越えていく姿を描く。東日本大震災のドキュメンタリーを作るために来日したアメリカ人映像ディレクターのスティーブは、被災地を訪れた際に見かけた演劇の舞台をきっかけにコメディ映画を作ることを思いつくが、作品製作に暗雲が立ち込めてしまう。しかし、彼には映画を撮らないといけないある理由があった。一方、3・11で息子を亡くし、ロサンゼルスに移り住んだ日本人シンガーの麗子は、歌のせいで息子を失ったという罪悪感にさいなまれていた。シンガーとして活動することや日本に残してきた夫と向き合えない年月を過ごしていた彼女は、夫からの手紙の中にあるものを見つける。スティーブ役を「コンフィデンスマン JP」の執事役で知られるマイケル・キダ、麗子役をラッパーのAwichがそれぞれ演じる。
2022年製作/97分/G/日本
配給:イオンエンターテイメント
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2022年3月6日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
東日本大震災に限らず、大勢が犠牲になったり人生に深刻な影響を受けたりする震災や事故や事件について、当事者以外が論じる、語る、作品化することは“はばかられて当然”のような空気が、確かにこの国にはある。曽根剛監督も、被災者でもない自分が3.11を描くことに後ろめたい気持ちがあったと語っている。
3.11を題材に劇映画を作ることだけでも並の創作に比べハードルが高いのに、さらに笑いの要素を入れてポジティブなエンターテイメントを作ろうというのだから、相当な覚悟をもって臨んだはずだ。脚本は、「カメラを止めるな!」の監督・上田慎一郎が担当した。
曽根監督と同様、「自分は3.11の部外者という感覚」があった上田は、自分たちの立場を反映させて「3.11の部外者である人間が、3.11を題材にしたコメディ映画を創ろうとする」話を書いた。映画の作り手を震災後に来日したアメリカ人に設定することで、“部外者”としての立ち位置を強調するだけでなく、カルチャーギャップから生まれる笑いも加えている。
ただまあ、頭が禿げている人にハゲの自虐ネタを言わせたりするなど、笑いが軽いというか、比較的あたりさわりのない笑いにとどまっているので、コメディとしては中途半端かもしれない。
また、津波の被災者しか取り上げておらず、原発事故で土地を追われたり生業を失ったりした人たちについての言及がほとんどないのも、より難しい題材を避けたように感じられた。しいて挙げるなら、ロサンゼルスに移り住んだ日本人シンガーの麗子が、職場で「放射能がうつる」と言われる場面があったくらいか。麗子を演じたラッパーのAwichによる歌唱はとてもよかった。アカペラから歌い始めるシーン、バックトラックが入るタイミングをもう少し遅らせ、ワンコーラス分を伴奏無しで聴かせてもよかったのでは。
2022年5月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
予告編と上田監督という事でコメディ系を想像しましたが良い意味で裏切られました。
2022年4月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
Awichさんが俳優で劇中歌も歌う作品と聞き映画館へ
流石圧巻の歌唱力
3.11を題材にしたコメディ映画を撮るという不謹慎に見える題材は、実は『忘れるより遥かにいい』という意図を持っていたのかと
ところで私が観に行った日は中村優一氏のトークがありましたが、個別の質問は受け付けておらず
彼には、某仮装場面での死んだ目をしてる子役の子についてのコメントを聞きたかった
2022年3月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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3.11のドキュメンタリーを撮るために会社の命令で来日した普段はコメディを作っている映画監督が、命令無視してニンジャ映画撮ろうとしてたけど、3.11についてインタビューしてるうちに、被災地の人たちが求めているのは笑顔になれるようものだと気づいて、3.11を題材にしたコメディを作ろうとする話。
テーマと設定がすごくいいと思って観に行ったけど、最初の茶番から演出が再現ドラマみたいに安っぽく残念でした。笑いのテンポも悪かった。
タイトルになっている歌と歌い手にまつわる部分はとてもよかったけれど、上手く結びついていなかったように思う。
音楽(映画)は人を殺さないが、人を救うことができるってことを伝えたいんだろうけど、もっとお金かけて多くの人に観てもらえるような作品にしてほしかった。
結局は関西人のツッコミがあれば、みんな笑顔になってる。