奥平大兼「MOTHER マザー」以来の映画出演! 川和田恵真監督×嵐莉菜「マイスモールランド」に参加
2021年11月18日 07:00
是枝裕和が率い、西川美和らが所属する映像制作者集団「分福」の若手監督・川和田恵真の商業映画デビュー作「マイスモールランド」に、「MOTHER マザー」の奥平大兼が出演していることがわかった。あわせて、第1弾ポスタービジュアルも披露された。
日本、ドイツ、イラン、イラク、ロシアのミックスという 5カ国のマルチルーツを持つ嵐莉菜が主演する本作は、難民2世という題材をベースにした作品。世界に開かれた新しい視点で、現代日本が抱える社会問題を切り取りながら、誰もが “自分ごと”として受け入れられる普遍的な青春ドラマが描かれる。
クルド人の家族とともに生まれた地を離れ、幼い頃から日本で育った17歳のサーリャ(嵐)。同世代の日本人と変わらない、ごく普通の高校生活を送っていたが、あるきっかけで在留資格を失い、家族の日常が一変する。埼玉には、約2000人のクルド人が住む地域が存在。そこに暮らす女子高生サーリャが、東京に住む日本人の少年・聡太(奥平)との出会いをきっかけにアイデンティティに葛藤し、成長していくストーリーとなっている。
演技未経験ながら、当時15歳で「MOTHER マザー」のメインキャストに抜てきされ、俳優デビューを果たした奥平。同作での演技は高く評価され、第44回日本アカデミー賞新人俳優賞、第94回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、第63回ブルーリボン賞新人賞、第30回日本映画批評家大賞新人男優賞など多くの新人俳優賞を受賞。その後は、ドラマ、CMへの出演などが決まり、多くの現場で経験を積んできた。「マイスモールランド」には、オーディションを経ての参加。撮影時は17歳(現在は18歳)――「MOTHER マザー」から2年ぶり(公開から1年ぶり)の映画撮影となった。
日仏共同製作となる「マイスモールランド」は、2022年初夏に全国公開。奥平、川和田監督のコメントは、以下の通り。
映画からはじまったという気持ちはあるので、その現場に2年ぶりに戻ってきたということで新鮮な気持ちになりました。久しぶりの映画の現場で、クランクインの時は迷いがありました。「MOTHER マザー」の時は、何もわかっていなかったので、OKがかかると、ただ嬉しかったのですが、ドラマなどいろんな現場を経験したことで、自分の中で考え過ぎてしまったところがあって。でも現場で川和田監督とたくさんお話しして、監督が表現したいことをお聞きし理解することができたので、撮影が進んでいく中で、聡太として生きることができたと思います。撮影前に監督とお話したことなど、僕の趣味などを脚本に反映していただくこともあって、最後のほうは演じているのかわからなくなる瞬間もありました。
僕がこんなことを言うのもおこがましいですが、本番になると顔が変わります。初めての演技で、これだけオンオフ切り替えられるなんて凄いなと思いました。
クルドの方々の問題は、この脚本をいただくまで知らなかったです。撮影前に勉強はしないように監督から言われていたのですが、難民の問題については、ニュースから聞こえてくる遠い国のお話だと思っていましたが、日本でもこんなことがあるんだと、急に身近なこととして考えられるようになりました
奥平くんとは、オーディションで出会いました。お芝居を見させていただき、まだ青年になりきらない、途上にいる姿が今回の聡太という役柄そのものでした。部屋を出る前にはもう、お願いしたいと心が決まっていました。撮影前から何度かお会いして、彼自身の物事をフラットに捉える視点や、自由に伸び伸びとした姿にも触発され、さらに脚本の内容も膨らみました。現場でも、とてもひたむきで、いつもお芝居のことを考えていた姿が心に残っています。不器用ながらも真っ直ぐな聡太という人間を、等身大で体現しきってくれたことに、とても救われました。今、この時、奥平くんを撮ることができて大変光栄です。