「大砲や戦車、ゴミ溜めしかない」と島民 旧ソ連出身監督による国後島ドキュメント公開、島の生活が見える予告編
2021年10月13日 08:00

旧ソ連出身フランス在住の監督による、北方領土の国後島のドキュメンタリー「クナシリ」が、12月4日から公開される。政治に翻弄され、複雑な思いを抱える島民らが現状を嘆き、率直に生活苦を語る。ロシア側の主張に偏ることなく、日本ではあまり知られていない島民の証言や生活の実態を映し出している。
北海道からわずか16キロに位置し、かつては四島全体で約1万7000人の日本人が生活していた北方領土。しかし、戦後の1947年から48年にかけて強制退去が行われ、現在は日本人がひとりもおらず、日本政府は問題が解決するまで日本国民に入域を行わないよう要請している。
旧ソ連(現ベラルーシ)出身で、現在はフランスを拠点とするウラジーミル・コズロフ監督が、ロシア連邦保安庁の特別許可と国境警察の通行許可を得て撮影。日本人が容易に足を踏み入れることができない地、北方領土の国後島で暮らすロシア人島民らの生活、島の様子をありのままに映し出す。
寺の石垣、欠けた茶碗、朽ち果てた船や砲台など、国後島のいたるところに第2次世界大戦の痕跡があり、島民らはそれらを土から掘り起こしながら、日本人との思い出も記憶から掘り起こし始める。日本人墓地は土に埋もれたまま無残に放置されており、島民らの生活圏も、整備が行き届いていない家やゴミが散らばり荒れ果ててているなど、忘れ去られた島のような寂しい風景が広がる。
予告編では、テレビ画面に当時の首相、安倍総理が意気揚々と「互いの信頼関係をより深め 平和条約を締結し…」とスピーチするも、とくに気にもとめていない様子のプーチン大統領が映る場面から始まる。実際は、第2次世界大戦から76年、日本とロシアには平和条約は結ばれていない。「大砲や戦車、ゴミ溜めしかない」という島民のコメントも収められている。
12月4日からシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。
(C) Les Films du Temps Scelle - Les Docs du Nord 2019
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