米同時多発テロの首謀者とみなされ、不当拘禁された男の実話 本人、関係者らが証言する特別映像
2021年9月10日 13:00

ジョディ・フォスター、ベネディクト・カンバーバッチが共演する「モーリタニアン 黒塗りの記録」の特別映像が披露された。本作の主人公の一人であり、悪名高きグアンタナモ収容所から自由のために戦ったモハメドゥ・ウルド・スラヒ氏にスポットを当てている。
スラヒ氏は、アメリカ同時多発テロの首謀者の一人とみなされ、罪状なしでキューバにある米軍施設グアナンタナモ収容所に不当拘禁された。人権派弁護士ナンシー・ホランダーのサポートによって、収容中にグアナンタナモ収容所での非道な経験を記した手記を発表。アメリカ政府の検閲で2500か所の黒塗りが残ったまま2015年に出版されるも、世界各国で一大ベストセラーとなった。
披露された映像には、本作のモデルとなったスラヒ氏、ホランダー弁護士、そしてホランダー弁護士を演じたフォスター、スラヒ氏を死刑判決に処せと命じられるスチュアート中佐を演じたカンバーバッチ、ケビン・マクドナルド監督が出演。物語のキーとなる本編映像を織り交ぜながら、それぞれがスラヒ氏などへの思いを語る。
フォスターは「モハメドゥと彼自身の物語は私たちに多くを教えてくれる。謙虚さや人間性だけでなく許しと精神力を」、スラヒ氏はフォスターが演じたホランダー弁護士について「昔はあんな美人だったさ」と楽しそうに話す。
スラヒ氏は14年間に及ぶ拘禁後、解放された現在も行動を制限されているが、南アフリカでの撮影現場への見学は多くの関係者の協力により実現した。長い不当拘束下にあっても人間性を失わなかったスラヒ氏について、カンバーバッチは「人間の精神力が驚くほどに逞しいことを知った」と感嘆している。
「モーリタニアン 黒塗りの記録」は、10月29日から東京・TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開。
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