ファスト映画問題、映画制作をする学生たちは何を思う?「見た気になられているのは怖い」
2021年7月26日 17:30

松本壮史監督の最新作「サマーフィルムにのって」のイベントが7月26日、都内で行われ、松本監督、映画感想TikTokerのしんのすけ、映画制作をする学生3人が登壇。現在問題になっているファスト映画や倍速視聴など、昨今の映像にまつわる問題を語り合った。
伊藤万理華(元「乃木坂46」)が主演を務める本作は、時代劇オタクの女子高生が映画制作に挑む姿を、SF要素を織り交ぜながら描いた青春ストーリー。この日は、学生を代表して、戸梶美幸さん(高知学芸高校卒、現在二松学舎大学2年)、加藤大空さん(神奈川県立白山高校放送部3年)、埜邑明日加さん(三田国際高校学生団体PUZZる3年)の3人が登壇した。

「ファスト映画」とは、映画の映像などを無断で使用し、最初から結末までを10分程度に編集した映像のことを呼ぶ。6月には、ファスト映画を投稿していた男女3人が、全国で初めて著作権法違反容疑で逮捕された。
埜邑さんは「(周囲の)1割くらいはファスト映画を見ていて、1.25倍速で映画を見ている人もいる。話を聞いて、それでいいのかなって思います」と打ち明け、戸梶さんも「5秒の間を見てほしいとか、そういうこだわりをなかったことにされるのは悲しいし、見た気になられているのは怖い」と作り手側の思いを明かした。

松本監督は「やっぱり2時間見るのって拷問なんだなって思う。そのなかでいろんな視聴スタイルがあるのは、現代はしょうがない」とファスト映画の視聴者の気持ちに理解を示しつつ、「情報の圧縮になるので、好きなシーンの余韻とかが全部なくなっちゃう。これは1本映画を見たことにカウントできないというのが自分の感想です」と話した。
加藤さんは「規制されるまでそれがファスト映画って知らなかった。YouTubeで映画を検索すると、PR動画の下にファスト映画があって。こういう映画なんだってファスト映画で知って、でも物足りないから本編も見ようって思っていました」と、ストーリーを予習するために利用していたそう。しんのすけは「YouTubeでタイトルを検索したら、一番上にファスト映画が出てくるのが問題なんです。ファスト映画が問題ではなく、僕は映画会社の怠慢だと思っている。各映画会社がバズる方法を考えないといけない」と問題定義した。

イベント中には、学生たちが松本監督に直接本作の感想を伝える一幕もあり、松本監督は「新鮮で嬉しいです」と笑顔を見せるなど、最後まで有意義な時間を過ごしていた。
「サマーフィルムにのって」は、8月6日から東京・新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイントほか全国公開。
(C)2021「サマーフィルムにのって」製作委員会
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

宝島
【あまりにも早すぎる超最速レビュー】すさまじい映画だった――全身で感じる、圧倒的熱量の体験。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

映画「F1(R) エフワン」
【「トップガン マーヴェリック」を観た人類におくる】あの“胸アツ”を更新する限界突破の超注目作
提供:ワーナー・ブラザース映画

フロントライン
【感情、爆発。】日本を代表する超豪華キャスト。命を救う壮絶な現場。極限の人間ドラマ。魂の渾身作。
提供:ワーナー・ブラザース映画

試写会で絶賛続々
「愛しくて涙が止まらない」…笑って泣いて前を向く、最高のエール贈る極上作【1人でも多くの人へ】
提供:KDDI

ネタバレ厳禁映画の“絶品”登場!
【超・超・超・超・異色展開】このカオス、このサプライズの波状攻撃…あまりにも好きすぎた
提供:バンダイナムコフィルムワークス

We Live in Time この時を生きて
【仕事にならないくらい泣いた…】人生の岐路で何度も観返したい、“一生大切にする”珠玉の1本
提供:キノフィルムズ

おばあちゃん版「ミッション インポッシブル」!?
【辛口批評サイト98%超高評価!】アクション映画好きに全力でオススメ!めちゃ良かった!!
提供:パルコ