フランク・ダラボン監督vs「ウォーキング・デッド」訴訟、2億ドルで和解
2021年7月22日 15:00

大ヒットドラマ「ウォーキング・デッド」の企画、制作総指揮のフランク・ダラボン監督と、米放送局AMCとの長年にわたる法廷闘争がようやく終結した。
「ショーシャンクの空へ」や「グリーンマイル」で知られるダラボン監督は、ロバート・カークマンのグラフィックノベル「ウォーキング・デッド」のドラマ化を企画。脚本家チームを率いるショーランナーとしてシーズン1を手がけたが、シーズン2の制作期間中に解雇された。その後、利益配当が行われていないとして、ダラボン監督と彼が所属するクリエイティブ・アーティスツ・エージェンシー(CAA)は、AMCを訴えていた。
ダラボン監督によれば、「ウォーキング・デッド」の一部権利について最大で10%の配当を受け取る契約を交わしていたものの、AMCがライセンス料を不当に下げたことで配当を受け取っていないという。AMCは、「マッドメン」や「ブレイキング・バッド」といったヒットドラマを抱えているが、これらがほかの制作会社が手がけたドラマであるのに対し、「ウォーキング・デッド」は自社で制作した初の垂直統合ドラマであるため、利害衝突が指摘されていた。
AMCはダラボン監督と徹底抗戦を繰り広げていたが、このほど和解。和解金として、ダラボン監督とCAAに2億ドルを支払うことに合意している。看板ドラマである「ウォーキング・デッド」が2022年に終了するものの、その後も「ウォーキング・デッド」ユニバースを発展させていくことを画策しているAMCとしては、ダラボン監督に今後の関連作品への権利を放棄させる狙いがあったものと思われる。
なお、AMCは、原作者ロバート・カークマンとも「ウォーキング・デッド」の利益配当をめぐって係争中である。
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