「search サーチ」とは真逆の作品を――毒母の狂気を描く「RUN ラン」監督が語る
2021年6月19日 10:00
母親の娘への歪んだ愛情の暴走を描いたサイコスリラー「RUN ラン」が公開された。パソコン画面上でドラマが展開した「search サーチ」で注目を集め、本作のメガホンをとったアニーシュ・チャガンティ監督と、チャガンティ監督と共に脚本も手掛けた製作のセブ・オハニアンに話を聞いた。
郊外の一軒家で暮らすクロエは、生まれつきの慢性の病気により、車椅子生活を余儀なくされていた。前向きで好奇心旺盛な彼女は地元の大学への進学を望み、自立しようとしていたが、自分の体調や食事を管理し、進学の夢も後押ししてくれている母親ダイアンに不信感を抱き始める。そして、クロエの懸命な調査により、ダイアンが新しい薬と称して差し出す緑色のカプセルが、けっして人間が服用してはならない薬であるということが判明する。
チャガンティ監督は「『search サーチ』とは真逆の作品を作りたいと思いました」と本作での挑戦を語り、「『search サーチ』では父と娘の物語でしたが、今回は母と娘の物語です。2本目は、自分はこういう映画も作ることができると証明したい気持ちがありました。前作はコンピューターの画面を使った複雑な映画でもありましたが、今回はカメラを一台にするなどシンプルにして、時代設定も前作の現代とは違ってタイムレスにしています」とこだわりを明かす。
自身が好きな作品「サイコ」「ミザリー」「アンブレイカブル」「疑惑の影」などを参考にしたシーンもあり、「ストーリーの構築だけでなく、画角も参考にしています。ヒッチコックのように全部のシーンに絵コンテを作ったので、撮影前から厚いバインダーを用意しました」と振り返る。
クロエ役には、普段から車椅子を使用しているキーラ・アレンをオーディションで抜てきした。そのときのことについて、オハニアンは「聡明でチャーミングで、障害のある役をリアルに演じられる方を探していました。ダイアン役のサラ・ポールソンがすばらしいのはわかっていたので、その相手を務められる方ということで、演劇学校やエージェンシー、演劇キャンプなど、100人くらいの演技のテープを見たなかで輝いていたのがキーラでした」と回想し、クロエ役に選んだ決め手を以下のように話す。
「演技を見せてもらってアドリブができることも確認して、2回目に会うときにはサラと一緒に演技をしてもらいました。『ロッキーやクリードみたいにトレーニングの必要があるかも』という話をしたら、『ロッキーって何ですか?』って言われたんだ(笑)。年齢差があったからかもしれないけれど、それで彼女に(シルベスター・)スタローンの動画を送りました。もともと僕たちには『ハリー・ポッター』が好きという共通点があったのですが、その後に彼女が『ハリー・ポッター』の杖を手にしたまま腕のトレーニングをする動画を送ってくれて、それで彼女に決めました」(オハニアン)
最後に、今後の作品の予定を聞くと、2人が製作として参加すると報じられている「search サーチ」の続編について教えてくれた。
チャガンティ監督「『search サーチ』のときは皆さんと作品を分かち合うことができてすごくワクワクしましたが、インタビューで続編について聞かれた時には『作らない!』と言っていたし、そのつもりだったんだけれども、こういう形で作ることになりました。新しいストーリーでフレッシュなキャラクター、同じ世界観なんだけれど、新しい現代的な方法を使った作品になります。前回の編集を担当していたウィル・メリック ニック・ジョンソンが監督を務めて、プロデューサーの(ナタリー・)カサビアンとセブを含めた5人でクールなアイデアを思いついたので、それをベースにしています。素晴らしいキャストが集まってくれて、ある種すごくインターナショナルな要素も加わった作品になるんじゃないかなと思うし、前作より予算も大きくなります。
自分が監督する次回作で言うと、『インセプション』と『オーシャンズ11』を加えたような、アメリカの移民を背景にした“強盗もの”です。自分が18~19歳の頃に思いついたアイデアで、これまでは作るリソースや製作費が無かったんだけれども、2作が成功して今は予算でもお願い出来るようになったかなと思うので、これから製作費集めをするところです」
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