遊牧民としての誇りと新しい世界への憧れ 東京国際映画祭受賞作「大地と白い雲」8月公開
2021年5月18日 15:30

第32回東京国際映画祭コンペティション部門の最優秀芸術貢献賞(映画祭上映時のタイトルは「チャクトゥとサルラ」)、第33回中国金鶏奨の最優秀監督賞を受賞した「白雲之下(原題)」(英題:Chaogtu with Sarula)が、「大地と白い雲」の邦題で、8月21日から公開されることが決定。あわせて、予告編も披露された。
監督は、北京電影学院の教授も務める俊英ワン・ルイ。内モンゴル出身の作家・漠月(モー・ユエ)の小説 「放羊的女人」を原作に、10年の歳月をかけて映画化した本作では、草原の生活の質感と四季の美しさにこだわり、内モンゴル出身の俳優、スタッフたちとともに、中国映画に新たな可能性と多様性を提示。ワン監督が、自身の過去の痛みに向き合い、亡き妻に捧げた夫婦の愛の物語となっている。

内モンゴルに広がるフルンボイル草原に暮らす1組の夫婦。夫のチョクトは、都会での生活を望んでいるが、妻のサロールは今の暮らしに満足している。ここではないどこかへ思いを巡らせ、ふらりといなくなるチョクトに腹を立てながらも、彼を愛するサロール。どこまでも続く大地、空を流れる白い雲。羊は群れをなし、馬が草原を駆けぬける。だが、自由なはずの草原の暮らしにも少しずつ変化が訪れ、徐々に2人の気持ちがすれ違いはじめる。そして、ある冬の夜、2人は大きな喪失を経験する。

愛する人と生きていきたい――ただそれだけのことがうまくいかない不器用でまっすぐな夫婦を演じるのは、ともに遊牧民の家庭で生まれ育った俳優のジリムトゥと歌手のタナ。草原と都会、2つの異なる世界を知る2人が、遊牧民としてのアイデンティティと、現代的な価値観の間で揺らぐ若い夫婦の心の機微をとらえている。
「大地と白い雲」は、8月21日から東京・岩波ホールほか全国巡視公開。ワン監督のコメントは、以下の通り。
「大地と白い雲」はお互いに異なる希望を持ちながら内モンゴルに暮らす、チョクトとサロールという平凡な夫婦の生活に起こるジレンマを描いた物語です。妻のサロールは夫であるチョクトと共にずっと草原で暮らしていくことを望んでいます。一方で、チョクトは遊牧民であることを誇りに思っていますが、その伝統が崩れてきている中で、羊飼いとして、また夫としてこれまでのような役割を果たすことが難しいと思い始めているのです。このように、個人的な幸せの追求と、社会的な属性が調和せず、対立する背景には、社会が引き起こした生活様式と文化的な価値観の急速な変化に遊牧民が適応できていないことを示しています。
この映画では、自然でリアリティーのあるスタイルを貫きたいと思っていました。目新しさや上辺だけではなく、草原と遊牧民たちの日々の暮らし、その美しさこそがこの映画の基調となるようにしたかったのです。ある平凡な遊牧民の夫婦の別れと再会の物語を通じて、彼らの追求心や潜在的な考え、また変化する環境の中で生きている現代の遊牧民が経験するジレンマを映し出しているのです。
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