「ヤクザと家族」綾野剛らの後押しでタイトル決定 監督が明かす秘話
2021年3月15日 18:00

「新聞記者」の製作陣と藤井道人監督が再タッグを組んだ「ヤクザと家族 The Family」(公開中)のスペシャルトークショーが3月13日、都内で行われ、藤井監督とエグゼクティブプロデューサーの河村光庸氏が登壇。主演の綾野剛もサプライズでリモート出演し、撮影裏話を語った。
変わりゆく時代の中で、様々な問題をはらんだ「ヤクザ」というテーマを、1999年、2005年、2019年の変わりゆく3つの時代で描き、ヤクザとしての道を選び生きた男・山本(綾野)と彼を取り巻く人々を家族の視点で描く。
製作スタッフのみの登壇にも関わらず、チケットは発売数時間で完売となった。Twitterで募集した質問のなかから「タイトルはすぐに決まりましたか?」という問いに、藤井監督は「河村プロデューサーから『ヤクザと家族』ってどうだって聞かれまして、『新聞記者』の時もそうだったんですが、最初はダサっと思いました、そんな直球ですかと(笑)。一度タイトルは検討したらどうかという話もあったんです。でも、河村さんが『ヤクザと家族』というタイトルを大事にされていたということと、主演の綾野さん、そして舘(ひろし)さんがすごくいいタイトルなんじゃないかって後押しして下さって、このタイトルでいこうと決まりました」と回答。

河村氏も「最初大変反対されまして、孤立無援でした。“ヤクザ”という言葉を使うと一般の人が引いてしまうと言われましたが、私は絶対に引きませんでした。“ヤクザ”という言葉が一番この映画が何なんだということをはっきり現すんじゃないかと確信をもっていました。孤立無援だった時に、まず監督が賛成してくれて、そして『このタイトルで行きましょうよ』と絶大な支持をしてくれたのが綾野くんで、そして舘さんも賛同してくださった」と振り返った。
ワンカット撮りのような車の襲撃シーンについて、藤井監督は「1日かけて1カットに見えるように撮影しました。このシーンの撮影の時に剛さんすごいなって思ったことが、襲撃の後、大原(二ノ宮隆太郎)を見つけて泣くシーンで、ちょっと画的にもう一回撮りたいな思った時でも、『いいよ』とさらっと言ってくださって。結構すごく大事なシーンにも関わらず、大事なお芝居を気持ちをぶらさずに付き合ってくださった」と感謝した。

途中から、自らイベント参加を熱望した綾野もリモートで登場し、藤井監督に「なんかごめんね。『剛さんリモートしてくれるんですよね?』って言ってくれたのに、サプライズって聞いたから、『やらないよ今日。恋ぷに(恋はDeepに)の撮影だから』って言って嘘ついちゃった。ごめんね」と謝り、仲の良さが伝わる一幕も。綾野は「このチームが作っているものって、映画正義を使って社会を正そう、メスを入れようというようなものではない。この作品ではヤクザの世界にも家族があるんだという事実を伝えているんです。ある世界しか見えない人たちに対して、その世界が見えていることは間違っていないと寄り添う作品だと思っています。だから、そういう風に受け取っていただけると幸いです」と作品に込めた思いを伝えていた。
フォトギャラリー
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

ワン・バトル・アフター・アナザー
【個人的・下半期で最も観たい映画を実際に観たら…】期待ぶち抜けの異常な面白さでとんでもなかった
提供:ワーナー・ブラザース映画

めちゃくちゃ笑って、すっげぇ楽しかった超刺激作
【これめちゃくちゃ良かった】激チャラ大学生が襲いかかってきて、なぜか勝手に死んでいきます(涙)
提供:ライツキューブ

てっぺんの向こうにあなたがいる
【ベスト“吉永小百合主演映画”の話をしよう】独断で選んだTOP5を発表! あなたの推しは何位!?
提供:キノフィルムズ

スパイによる究極のスパイ狩り
【前代未聞の心理戦】辛口批評サイト96%高評価、目を逸らせない超一級サスペンス
提供:パルコ

レッド・ツェッペリン ビカミング
【映画.com編集長が推したい一本】むしろ“最前列”で観るべき奇跡体験! この伝説を人生に刻め!
提供:ポニーキャニオン

酸素残量はわずか10分、生存確率0%…
【“地球で最も危険な仕事”の驚がくの実話】SNSで話題、極限状況を描いた超高評価作
提供:キノフィルムズ

なんだこのかっこいい映画は…!
「マトリックス」「アバター」など数々の傑作は、このシリーズがなければ生まれなかった――
提供:ディズニー

宝島
【超異例の「宝島」現象】こんなにも早く、心の底から“観てほしい”と感じた映画は初めてかもしれない。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント