【「フィールズ・グッド・マン」評論】トランプ陣営も乗っかった「カエルのぺぺ」の数奇な運命
2021年3月7日 14:30

この映画は、アメリカ人なら誰もが知ってるインターネットミーム「カエルのぺぺ」についてのドキュメンタリーです。現代のアメリカのネット社会やカルチャーを理解するのに、とっても役に立つ一本です。
そもそも「インターネットミームって何?」って方も多いと思います。インターネット歴の長い皆さんは、「2ちゃんねる」を思い出してください。アスキーアート職人が描いた「モナー」とか「ギコ猫」などのキャラクターが「おまえモナー」とか「逝ってよし」ってやってましたよね。あれがインターネットミーム(以下、単にミーム)です。ネット上で流行する画像や言い回しの類。
この映画を見て驚かされるのは、「2ちゃんねる」と同じコンセプトの掲示板が、アメリカでは「4chan」という名前で、21世紀になってから流行しているという事実です。2ちゃんねるは、テキストしか投稿できませんでしたが、4chanは画像も投稿できます。だから「カエルのぺぺ」が「Feels good man.」ってつぶやいているのも、画像(マンガ)による投稿である点がモナーとは違ってます。
そして、4chanは2ちゃんねる同様、オタクの巣窟です。ニート=NEET(Not in Education, Employment, Training)と呼ばれる引きこもりたちが、ノーミー=Normie(一般人。日本でいう「リア充」)をひがみ、disる図式は、2ちゃんねると何ら変わりません。
しかし、4chanは21世紀のBBSなので、SNSと接続しています。ここが2ちゃんねると違う点。4chanでバズったミームは、TwitterやFacebookでガンガン拡散していきます。カエルのぺぺにはちゃんと作者がいるのですが、作者の望まない形でぺぺはどんどん暴走していくのです。
そして、ドナルド・トランプがこのミームに乗っかってきます。2016年のアメリカ大統領選に出馬を表明したトランプは、ぺぺのキャラクターを巧みにSNSで活用し、4channer(4ちゃんねらー)に「この男なら間違いない」と信じ込ませることに成功します。トランプは、この映画の中で「ミームが送り込んだ大統領」と表現されています。彼が当選した時は「ネットのジョークが現実になった瞬間」だとも。
これは、相当に面白い素材です。カエルのぺぺって、日本ではほとんど知られてませんよね。インターネットは軽々と国境を越えるツールなのに、インターネットカルチャーのアンダーグラウンドな部分は、なかなか国境を越えてこない。トランプ当選の裏側に、そんな重要なカエルがいたのか。それに比べたら「100日後に死ぬワニ」なんて、全然ちっちぇえなあとか。色々なことを考えさせられます。
ただ、カエルのぺぺは、意外な形で国境を越えていることも紹介されます。アジアにおける反政府デモのシンボルになっています。この事例も非常に興味深いのですが、日本ではほとんど知られていない。
とにかく、インターネット時代の政治と大衆の関わりを学ぶ意味で、非常に示唆に富んだ映画であることは間違いありません。ミレニアル世代、Z世代の若者にオススメしたいヤツですね。
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