濱口竜介監督「偶然と想像」ベルリン銀熊賞 監督、キャストが喜びのコメント
2021年3月5日 21:39
同映画祭でワールドプレミアとなる「偶然と想像」は、偶然と想像をテーマにした「魔法(よりもっと不確か)」「扉は開けたままで」「もう一度」の短編3話からなる、濱口監督初のオムニバス。脚本もすべて濱口監督が手掛けた。「ハッピーアワー」等のプロデューサー高田聡とともに企画を立ち上げ、2019年夏から約1年半をかけて製作。日本での公開時期は現在未定。受賞会見を前に、濱口監督とキャストがコメントを発表した。
映画「偶然と想像」がベルリン国際映画祭審査員グランプリ(銀熊)賞を受賞しました。経験豊かな監督たちが揃った「審査員からの賞」が贈られたということを心から嬉しく、誇らしく思っています。撮影中ずっと、役者の演技を見ながら、カメラの後ろで驚いていました。その驚きが海を超えて伝わったことに感激しています。この映画、一番の見どころはと問われたら『役者の皆さんの演技』だと答えます。会議室のようなリハーサル部屋で始まった時間が、このような結果にまで結びつきました。この物語の価値を信じて参加し、最高の演技をしてくださった役者の皆さんにこの場を借りて、御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。そして、その役者の演技を支えるようにして、献身的に仕事をしてくれたスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。演技の素晴らしさは皆さんがつくってくれた環境から生まれたものです。今はなかなか集まる機会が持てませんが、早く皆さんと喜びを分かち合いたいと思います。
そして、ベルリン国際映画祭にも改めて御礼を申し上げます。この映画を見つけてくれて、ありがとうございました。審査員グランプリ賞、とても光栄に思っています
受賞の知らせを聞いて、とても嬉しく思います。 このような素敵な作品に参加出来たことを幸運に思います。私の俳優としてのキャリアはまだ始まったばかりですが、ひとつひとつの仕事をより一層大切にしていこうと、身の引き締まる思いです。
「人を振り向かせる声」を探すところから始まったこの作品が、ひとつの大きな成果を得たことに興奮しています。 それぞれが創造力を発揮し、信じ合えた結果だと思います。
濱口監督の書く物語と言葉、独特のリハーサル期間、穏やかな表情に見透かされるような目、今日の台本はどんな台詞が、シーン が加えられているんだろう…まだここ数年の出会いなのに毎度濱口監督の現場に行く時間がいちばんの楽しみでした。その俳優としての喜びがスクリーンを通して今回ベルリン映画祭の審査員の方々に伝わったんだなと思うと感無量です。自分の信じる力をも う一度信じてみたくなりました。濱口監督、そしてスタッフキャストの皆様、おめでとうございます。
やったぜ!濱ちゃん、おめでとう!常に進歩しながらも変わらない濱口節というか濱口竜介が好きです。ベルリンの地で祝杯をあげたかったが仕方がないので、PCR 検査を受けて東京で祝杯をあげたいところですね。 これからも希望をみせてください。この作品に限らず声をかけてくれてありがとう!またよろしく!
銀熊賞受賞と聞き、感激しそして大変嬉しく思います。強い意志を持って完成まで導いてくださった濱口監督、そしてスタッフ、 キャストの皆様に感謝します。この作品を撮影した頃から完成までの間に、世の中の状況は大きく変化しましたが、この受賞を機に、世界中の皆様の元へこの作品が届くことを願っております。
銀熊賞受賞の吉報を耳にして、大変嬉しく思っております。この映画では、今までの自分にはない、挑戦的な役を演じさせて頂き、濱口監督の世界観にどっぷり身を任せ、見たことのない景色を見せて頂きました。この賞をきっかけに、海を越えて、より多くの方に届いて欲しいなと思います。
「時間をかけて作品を作りたいんです」と、共有する全ての時間を真摯に謙虚に創造していく濱口監督が作り出す時に身を置き、素晴らしい経験をさせて頂きました。「偶然と想像」は他者の内面に入り込む様で、実は自分の内面がすでに持ち合わせて居るのかも知れないと、深い驚きを体感する作品ではないかと思います。どうぞ、多くの方が濱口監督の作品世界を存分に楽しまれますように!
銀熊賞!ばんざい! 濱口監督の映画作りは私にとっても、映画界にとっても未来を切り開く一歩だと思っています。丁寧に時間を重ねるということの大切さを改めて感じる経験で、今回このような素晴らしい賞を授かったことはまさにその答えな のではないかと思っています。心からおめでとうございます!
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。