黒人女優の草分け、シシリー・タイソンさん死去 「サウンダー」で米アカデミー賞ノミネート
2021年2月2日 20:00
アフリカ系アメリカ人女優のパイオニアとして尊敬を集めたシシリー・タイソンさんが1月28日(現地時間)、96歳で死去した。タイソンさんの40年来のマネージャーが公表したもので、死因は明かされていない。米バラエティなどが報じている。
西インド諸島からの移民である両親のもと米ニューヨークのハーレムで生まれ育ったタイソンさんは、ファッションモデルとしてキャリアをスタートさせたのち、名門アクターズ・スタジオで演技を学び、1959年の犯罪ドラマ「拳銃の報酬」で映画デビュー。ブロードウェイやオフ・ブロードウェイの舞台に立つかたわら、「危険な旅路」(67)、「愛すれど心さびしく」(68)などの映画に出演し、名匠マーティン・リット監督による1972年のヒューマンドラマ「サウンダー」で米アカデミー助演女優賞にノミネートされた。
74年には、黒人差別を題材にしたテレビ映画「ジェーン・ピットマン ある黒人の生涯」でタイトルロールを熱演し、エミー主演女優賞(ミニシリーズ/テレビ映画部門)を受賞。黒人女性のスクリーン描写に疑問を抱いていたタイソンさんは、売春婦やメイド、薬物依存者といったステレオタイプな役柄を一切拒否する一方で、「ウィルマ」(77)、「おんぼろバスと8人の子供たち」(81)、「フライド・グリーン・トマト」(91)、「南部の風 南軍兵士の妻が語る100年の物語」(94)、「奴らに深き眠りを」(97)など、数多くの映画・テレビ映画に出演した。
自身が80代に突入した2000年以降も、「きいてほしいの、あたしのこと ウィン・ディキシーのいた夏」(05)、「ヘルプ 心がつなぐストーリー」(11)、「バーニング・クロス」(12)といった秀作映画のほか、「LAW&ORDER 性犯罪特捜班」「殺人を無罪にする方法」「ハウス・オブ・カード 野望の階段」などの人気テレビドラマにゲスト出演するなど、精力的に活動を続けた。また、2013年には「バウンティフルへの旅」でブロードウェイの舞台に復帰し、トニー賞を受賞している。
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