カミュ原作「異邦人」デジタル復元版公開 ビスコンティ&マストロヤンニによる幻の文芸大作
2021年1月15日 07:00

ノーベル賞作家アルベール・カミュのベストセラーを、イタリア映画界の至宝ルキノ・ビスコンティ監督が名優マルチェロ・マストロヤンニ主演、ヒロインにアンナ・カリーナを据えて1967年に映画化した「異邦人」。本作のデジタル復元版で本邦初公開となるイタリア語バージョンが、3月5日から公開される。
20世紀文学の傑作のひとつとして知られる原作は、現代人の生活感情の中に潜む不条理の意識を巧みに描き大反響を巻き起こした。ビスコンティの長編8作目となる本作は英語版で1968年9月公開。それ以降は1970年代に短縮日本語吹き替え版がテレビ放映されたが、複雑な権利関係や散逸してしまった映像原版など様々な理由でソフト化されず、映画ファンの間では幻の作品となっていた。
カミュの原作が発表された年は、奇しくもビスコンティの監督デビュー作「郵便配達はベルを鳴らす」と同じ1942年であり、ビスコンティは早くから「異邦人」映画化の希望をカミュ(1960年没)本人に伝えていたという。主人公ムルソーの不条理な言動は、クイーンの名曲「ボヘミアン・ラプソディ」の歌詞とも類似しており、元ネタではないかと楽曲発表後、話題になったという逸話もある。
第2次大戦前のアルジェ、会社員のムルソーは母の訃報を受け取る。遺体安置所で彼は遺体と対面もせず、埋葬の場でも涙を見せなかった。その翌日、偶然再会したマリーと海水浴に行き、映画を見て一夜を共にしたが、その後友人とトラブルに巻き込まれ、預かったピストルでアラブ人を射殺してしまう。太陽がまぶしかったという以外、ムルソーにも理由は分からない。裁判所の法廷では殺害については何も言及されず、ムルソーの行動は非人間的で不道徳である、とされ死刑を宣告される。
3月5日から新宿シネマカリテ、池袋シネマ・ロサで公開。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
感情ぐっちゃぐちゃになる超オススメ作!
【イカれた映画を紹介するぜ】些細なことで人生詰んだ…どうにかなるほどの強刺激
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
映画ラストマン FIRST LOVE
「ドラマの映画化か~」と何気なくつぶやいたら後輩から激ギレされた話「これ超面白いですから!!」
提供:松竹
年末年始は爆発・秒殺・脱獄・名作!!
【全部無料の神企画】今年もやるぞ!ストレス爆散!!劇的チェンジ!! 1年の疲れを吹き飛ばそう!!
提供:BS12
こんなに面白かったのか――!!
【シリーズ完全初見で最新作を観たら…】「早く教えてほしかった…」「歴史を変える傑作」「号泣」
提供:ディズニー
映画を500円で観よう
【2000円が500円に】知らないとめっっっっっっっちゃ損 絶対に読んでから観に行って!
提供:KDDI
今年最大級に切なく、驚き、涙が流れた――
双子の弟が亡くなった。僕は、弟の恋人のために“弟のフリ”をした。
提供:アスミック・エース
ズートピア2
【最速レビュー】「前作こえた面白さ」「ご褒美みたいな映画」「最高の続編」「全員みて」
提供:ディズニー