94歳のおばあちゃんが小学校卒業に挑む理由 「GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生」監督に聞く
2020年12月24日 16:00

ケニアで小学校に通う94歳のおばあちゃんを追ったドキュメンタリー「GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生」が12月25日公開される。命がけで学校に通う子どもたちの姿を描いた「世界の果ての通学路」のパスカル・プリッソン監督が、再びケニアで“教育”をテーマに本作を撮り上げた理由、94歳のプリシラさんとの出会いを語った。
私がプリシラさんを選んだのではなく、プリシラさんが私を選んだんですよ。私がフランスで映画の準備をしていた時に、ナイロビに住んでいる友人から「ンダラット」(フランス語式発音)という僻地に94歳で世界最高齢の小学生がいるという新聞記事を見つけたと連絡がありました。その話に惹かれて、すぐに飛行機でナイロビに向かい、ンダラットまで7時間車を飛ばして彼女の家に着くと―事前に知らせてあったのですが―とても素敵な女性が私を出迎えてくれました。それですぐフランスのプロデューサーに電話して、「素晴らしい人物に出会ったよ。ストーリーも素晴らしい。彼女は小学校の最終学年だから今年逃したら次はないかもしれない」と伝えました。

一番大きな理由は、自分が前例となること、教育は生きていく上で必要不可欠ということを子供達に示すこと、90歳を超えても学ぶことに年齢は関係ないと示すことでした。高齢でも小学校に通えるんだと。それと、自分自身の孫や曾孫達、特に就学していない孫娘や曾孫娘にお手本を示し、学校に行きたいと思わせることでした。
残念ながら、ゴゴの世代の人達の大半はもうこの世にはいません(苦笑)。イギリス植民地時代を生き、独立戦争で生き残った人達、90代の人はごく少数です。ゴゴ以前には、70歳で小学校に通い始めた男性がいて、当時は彼が最高齢の小学生でした。既に数年前に他界していますが。ケニアで小学校が義務教育になったのは2004年です。その前は義務教育ですらなかったんです。ゴゴのように90歳以上の人は稀ですし、増して小学校に通い始めるなどは、大変稀なケースでしょう。

始めてケニアに行った時は偶然からでした。ロシアで動物を撮影していた時に電話を受けて、ケニアで猿を撮影する予定だった監督の都合が悪くなったので代わりに来ないかと誘われ、その場で承諾してすぐケニアに飛びました。その時はまだケニアのことは全く知らなかったのですが、行ってみていっぺんで気に入りました。そこには人々、自然、動物など、私が好きなものが全て揃っていました。ケニアの人々の親切心や美しい景色にも惹かれました。自分の人生で一番好きなものが、そこには全て揃っていたんです。それで、そのまま留まることにしました。
私は幸いなことにパリのブルジョワ家庭の出身で、学校がすぐ近くにあり、衣食住に何の不自由もなく、両親は私のために何でもしてくれ、全てに恵まれていました。でも、理由はわかりませんが、学校も先生も好きになれなかったんです。自由が欲しかったんですね。自然が好きで旅行したかった。それで、早い時期に学校を辞めてしまったんです。ある意味間違いだったと思いますが、人生は人それぞれ、それが私の人生だったんです。人には高等教育を受けるべきだと勧めますけどね。今は厳しい競争社会で、生き抜くには競争力が必要ですから。子供達には学校に行かせるでしょう。
「GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生」は12月25日から東京・シネスイッチ銀座ほか全国順次公開。
(C)Ladybirds Cinema
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