宇多田ヒカルの楽曲からインスパイア! 満島ひかり×佐藤健「First Love 初恋」22年にNetflixで配信
2020年12月3日 08:00
Netflixオリジナルシリーズ「First Love 初恋」の製作が決定し、2022年に全世界同時配信されることが決定。Netflix作品初参加となる満島ひかりと佐藤健が主演し、宇多田ヒカルの楽曲「First Love」「初恋」にインスパイアされた物語が紡がれる。
「First Love 初恋」は、1990年代後半、ゼロ年代、そして現在の3つの時代が交錯し、20年余りに渡る忘れられない“初恋”の記憶をたどる1組の男女の物語。これまで数々の楽曲をドラマや映画に提供してきた宇多田。彼女の楽曲にインスピレーションを受けて制作された、初のオリジナルドラマとなっている。
監督・脚本は、2004年に脚本家としてデビュー後、映画、テレビドラマ、MVなど多岐に渡って活躍する寒竹ゆり。満島はフライトアテンダントを目指すものの、不慮の事故で運命に翻ろうされる野口也英役、佐藤は航空自衛隊のパイロットになるが、現在は別の道を進む、一途でまっすぐな性格の並木晴道役を演じている。
今回の情報解禁にあわせて、満島と佐藤、寒竹監督がクロストークを実施。作品への熱い思いを語り合っている。
佐藤:お話をいただいたとき、正直、この座組ならなんでも面白くなるだろうって思いました。寒竹さんとは10代の頃に仕事をしていて、すごく印象に残っていた方だったので、またご一緒できることが嬉しかったし、もちろん満島さんとの共演も。この2人と仕事がしたいと思ったんです。
寒竹:嬉しいですね。ありがとうございます。
満島:私は、初めて八ヶ岳にある監督の家に行ったとき、こたつで打ち合わせしたのをよく覚えています。脚本を読みながら、このシーンのこのお芝居できるかなと不安に思ったところがあって、その場で演じてみたんですよね。そうしたら寒竹さんが、ぽろぽろと泣き出して。私もこのプロジェクトに1年くらい関わっているけれど、寒竹さんは、何年も前から孤独に脚本を書いてきた。目の前で人(キャラクター)が動いたことで、ようやくこの物語が始まったんだなと、感動したことを覚えています。
佐藤:僕も参加することになって「打合せは、八ヶ岳でやります」と連絡をもらって、えっ、八ヶ岳ってどういうことだ? って。そのときはすでに、寒竹さん、満島さん、プロデューサーの坂本(和隆)さんは何度も打合せをしていて、いいチーム感が出来上がっているようだったので、うまく馴染めるかなと不安もありつつ行ってみると、まず最初に「寒竹ゆりお手製」のフルコースが出てきました。どれもぜんぶ超美味しくて。ああ、これが食べたくて、みんなここに来るのかと(笑)
満島:胃袋、つかまれてますから(笑)
寒竹:仕事の話もしてますよ(笑)
佐藤:なんだろう、美味しい料理を食べながら仕事の話をすると、自然とみんなハッピーになって、健全なぶっちゃけ話ができるんですよね。過去いろんな作品で、いろんなやりとりをしてきたけれど、ここまでぶっちゃけたやりとりは、なかなかない。新鮮だし、楽しいし、やりがいを感じてます。
満島:やった! 晴道役は、佐藤健さんはどうかな? と、私が提案したんです。私は、ラブストーリーをほとんどやったことがないので、ドキドキする新しいキャスティングがいいなと思っていて。プロデューサーの坂本さんが、ネットに出ている健くんの写真と私の写真を合わせて、みんなで見ながら「似合う、似合う!」「この組合せ新しい!」って盛り上がったりして。そして、健くんがやって来てくれて、寒竹さんの筆が動き出して、脚本がもっと具体的に、もっと素敵になっていった。ドキドキする場面が増えていった気がします。
佐藤:僕自身、ラブストーリーは見るのも好きだし、挑戦したいとも思っているジャンルなので、ラブストーリーで声がかかるのは嬉しくて。ただ、相手役の方は本当のところどう思ってるんだろうって、気にしちゃうんですよね。だから満島さんがさっき言ってくれたみたいに、「私が決めました!」と聞けるとホッとするし、すごく嬉しかった。
満島:健くんは、映画やドラマの画面越しで見ていて華やかで、私に足りないところもいっぱい持っていて、一緒にお芝居をするのがすごく楽しみです。この前、八ヶ岳で打合せをしたときも、この人は現場で先頭に立ってきた人なんだな、みんなの前に立って、みんなを背負ってきた人なんだなって思いました。
寒竹:そのとき、八ヶ岳のうちのカウンターで、ひかりちゃんと健くんが並んでビールを飲んでいる姿が、もう普通にお似合いで、とても素敵で、ずっとニヤニヤしながら眺めてました。何だかんだ言っても、恋愛ドラマはカップリングが一番大事。恋が動き出しそうな2人じゃないと、ドラマを見たいと思わないですから。ひかりちゃんはもちろん、健くんに会ってからはイタコみたいになって、晴道についても筆が進みました。いい役者と出会うとこういう風になるんだなって。通常のドラマだと脚本が完成していない段階で撮り始めることもあると思うんですけど、今回は、本を作る時間、議論する時間、熟成させる時間がある。ありがたいです。
佐藤:役者としても、これだけ時間を与えてもらうことは贅沢だし、感謝もしています。でも物づくりって、本来そうあるべきだなとも思っていて。それに、このくらい本気度の高い作品じゃないと満島ひかりは出てこないんだなと。なんて言うか、レアポケモンみたいになっていて、なかなか会えないし、なかなか共演できない人なので、この機会はほんとに貴重です(笑)
満島:たしかに、なかなか出てこないかも(笑)。この話をいただいたのは、フリーランスになってすぐの時期で、心体技ともに健康のまま作品に関われるのか不安もあったんです。少し休んで、いろんな役の疲れがとれてやっと自分に戻れていたのと、ドラマを作るためにドラマを作っていることにちょっと違和感が募っていたのと。お芝居が好きで、作品に愛おしさを感じて、そのキラキラした愛みたいなものを形にならない形にしていたいのに、何かやりたい! という衝動が作品を制作することそのものに負けていたり、作る過程の速度とか、ビジネスに負けているのが不思議で……。だから初めはいぶかしげに話を聞きに、会いに行ったんですが、帰り道に涙があふれてきて。たぶん寒竹さんをはじめ、プロデューサーの坂本さんと八尾さんのそれぞれから、熱い気持ちやいい緊張感が伝わってきたから。ああ、私はこの人たちと出会ったんだなと心が動いたんです。脚本を自分で書いて自分で撮るということや、私と年齢が近いことも含めて、寒竹さんとともにやってみたいなと思いました。
佐藤:僕も、寒竹ゆりは天才だと思いました。王道なラブストーリーということ以上のディテールが脚本の細部に詰まっていて、2人のやりとりやセリフの一言一言が美しい。すごく惹かれましたね。
寒竹:嬉しいですね。坂本プロデューサーから宇多田ヒカルさんの「First Love」と「初恋」を繋ぐ物語を作りたいと声をかけてもらって、すぐに「やりたい!」と思ったんです。多くの人にとって宇多田さんの曲は特別だと思うけれど、私は彼女と同じ学年ということもあって、そういう意味でも、常に気になる存在、特別な存在でした。いまでもよく覚えているのが、宇多田さんが15歳でデビューしたとき、学者みたいな人が、難しい顔で歌詞を分析していたこと。そんな大人を同い年の子が感心させていることがショッキングでしたし、自分たちの方が彼女の歌詞を本質的に理解できている気がしました。このドラマのセリフにもありますが、その時「私たちの時代が始まった」と思わせてくれたんです。そんなこともあり、宇多田さんの「First Love」から「初恋」の間に起きた20年間のエポックを、也英と晴道の20年間のドラマを通して描くことがすんなりイメージできましたし、あの歌詞からこの物語を描く必然性を感じました。
満島:他の国の作品だけでなく、日本のドラマも面白いってなってほしいですよね。たとえば欧米のドラマのダンスシーンのように、身体に触れているのにキスできないとか、ずっと目が合っているのに何もできないとか、色っぽさが伝わってくるシーンって、日本だと難しいですかねって寒竹さんに尋ねたら、そういうシチュエーションを脚本に入れてくれた! 好きな人がすぐ傍にいるのに恥ずかしくて見られない、でもつい目で追ってしまう、触れたくなる……そんな恋愛のときの豊かな感情が、透き通るように描かれています。これはもう、みんな健くん(=晴道)のことを好きになっちゃうなって。
佐藤:僕は、みんな也英のことを好きになるだろうなって。脚本を読みながら普通にキュンキュンしていたし、特に高校生の2人のやりとりの甘酸っぱさは、映像で見たら、もっと胸キュンしちゃうんだろうなって思います。
満島:胸キュン(笑)。素敵な作品になる予感がずっとあるのですが、まずは無事に撮り終えたいですね(笑)
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