柳楽優弥、北斎が「鬼滅の刃」に与えた影響に驚き 田中泯は「北斎に喜んでほしい」と願いこめる
2020年11月9日 18:20

第33回東京国際映画祭のクロージング作品「HOKUSAI」が11月9日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズでワールドプレミア上映され、葛飾北斎を2人1役で演じた柳楽優弥と田中泯、メガホンをとった橋本一監督、企画と脚本を手掛けた河原れんが舞台挨拶に登壇。あわせて、公開日が2021年5月に決定したことも発表された。
世界的アーティスト・北斎の謎に包まれた生涯に迫る本作。町人文化が華やぐ江戸の町で、貧乏絵師・勝川春朗(後の北斎)は師匠から破門され、食べることもままならない日々を送っていた。ある日、北斎は喜多川歌麿(玉木宏)や東洲斎写楽(浦上晟周)を世に出した稀代の版元・蔦屋重三郎(阿部寛)と出会う。重三郎の後押しで北斎は才能を開花させ、一躍人気絵師へと変ぼう。しかし、奇想天外な世界観で江戸を席巻した北斎の活躍は、幕府の思わぬ反感を招いてしまう。
青年期の情報が少ない北斎に息吹を吹き込んだ柳楽は、「橋本監督と、僕たちの北斎像を毎日毎日作り上げていきました。見応えのある良い作品になっていると思います」と自信をのぞかせる。「北斎に触れることの多い人生だった」という田中は、「世界中に知られている北斎ですが、この映画によって、北斎が絵を描いた理由が少し伝わるんじゃないかと思います。ひょっとしたら、北斎が1番待っていたタイミングなんじゃないかなと思っています。北斎が1番喜んでくれたら、皆嬉しいですよね?」と問いかけ、柳楽も笑顔で「はい!」と答えていた。
そして田中は、「ものすごく大きい時間的な開きがあるにも関わらず、世界中で北斎の絵を見た時に、絵そのものが向かってくるというのは、本当に羨ましいですよね。言葉がなくなるからすごい」と、北斎の絵が持つパワーにも言及。内面についても、「北斎は『こんな世の中おかしい、もっと良い世の中はないのかな』と、口癖のように言う人だった。僕も同調して、震えるようにその言葉をしゃべったんです。そのことが、とっても嬉しかった。僕も子どもの頃から『何で大人はああなんだろう』と思っていたし、今この歳になっても、『大人のせいかな』と思ってしまうことがしばしばあります。北斎と似ているかもしれないですね、かっこいいなあ(笑)」と語り、笑みを浮かべていた。
さらに、MCを務めた奥浜レイラから「『鬼滅の刃』の主人公・炭治郎が使う“水の呼吸”が、北斎の波をイメージして作られたとも言われていますが……?」というトリビアが飛び出す。柳楽は「(北斎の波は)『鬼滅』にまで響いているんですね、良いこと聞いたな」と驚き、「ここまで波に感動する理由を、撮影の中で絶対に見つけたいなというテーマがありました。北斎は人生を諦めるくらいの覚悟で、(波を見に)いったんじゃないかと。話したら、橋本監督も『それでいきましょう』と言ってくれて。それぐらい情熱をこめて、覚悟を決めて絵と向き合っていたんだなと思います」と胸中を吐露した。
柳楽と田中が体現した“ダブル北斎”について、橋本監督は「おふたりの、目の素晴らしさ。何度もカメラ越しに見ながら、泯さんと柳楽くんを抱きしめたくなりました(笑)」と絶賛。河原も、「今おふたりの言葉を聞いていて、北斎と通じる、“美しい不器用さ”があるなと思いました。北斎も愚直に自分の作品を世に出して、何かを伝えようとしていたんじゃないかと感じました」と思いを馳せた。
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