映画製作プロジェクト「DIVOC-12」発足! 藤井道人監督、上田慎一郎監督、三島有紀子監督が参加
2020年10月19日 17:17

12人の映像監督による12本の短編映画製作プロジェクト「DIVOC-12」(読み:ディボック-トゥエルブ)の発表会見が10月19日、東京のGinza Sony Park(銀座ソニーパーク)で開催され、「新聞記者」の藤井道人監督、「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督、「幼な子われらに生まれ」の三島有紀子監督の参加が発表された。
「DIVOC-12」は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けているクリエイター、制作スタッフ、俳優が継続的に創作活動に取り組めるように、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが発足。「新型コロナウイルス・ソニーグローバル支援基金」を活用した支援活動の一環となる。本プロジェクトでは、クリエイターと俳優の一部を公募し、新しい表現の機会をサポート。また、各作品の制作過程において感染予防を徹底し、コロナ禍の社会における新しい映像制作方法に挑戦していく。

プロジェクト名「DIVOC」は「COVID」を反対に並べた言葉であり、「12人のクリエイターとともに、COVID-19をひっくり返したい」という思いが込められている。また、DIVOCのそれぞれの文字が「Diversity(多様性)」「Innovation(革新)」「Value(新しい価値)」「Originality(個性)」「Creativity(創造)」を表している。12人のクリエイターは3チームに分かれ、藤井監督チームは「成長への気づき」、上田監督チームは「感触」、三島監督チームは「共有」をテーマに作品を制作。各作品の尺は10分。12本のドキュメンタリーも合わせて製作される。12人の監督のうち、3人の監督を本日から11月19日午後11時59分まで公式HP(https://www.divoc-12.jp)で募集。俳優の募集も同HPで開始予定だ。
藤井監督は、スケジュールの都合で会見を欠席し、ビデオメッセージを寄せた。テーマ「成長への気づき」については「自分の中で解釈したのは“道のり”。本当に貧乏で、カメラを買って、10万円くらいで映画を撮っていました。そのなかで確実に成長というものはある。まだ1ミリも満足していないんですけど、あの辛い時期があったからこそ、若い作家たちにしてあげられることがある。今回の作品もそういうものを大事にしていきたいですし、非常に難しいテーマだとも思っています」と説明。「コロナを経て、作家たちは色んなことを考えたと思います。僕たちが未来にどういう作品を届けられるのかということを、しっかり考えながら、良い作品を作っていきたい」と語っていた。
テーマに「感触」を選んだ上田監督は「コロナ禍は『感触』が失われた時期だったと思います。人や物に触れる、生でエンタテインメントを味わうというものが失われていた。これは結構稀な時期なんじゃないかと。感触とは何なのか? それが失われた時期とは? このテーマを設けて、そういったことを探せたらいいなと思いました」と話す。「エンタテインメントがなければ、本当に死んでいたかも――そう思うほど、自分はエンターテインメントに救われてきた人間です。この映画が少しでも気分が明るくさせ、『自分も作りたい!』と感じてくれればいいなと思っています」と言葉を投げかけていた。
三島監督は「共有」というテーマの設定に関し、「(コロナ禍において)世界中がこんなにも同じ苦しみ、悲しみ、喜びを共有したことって、なかなか無かったこと。ある種救いがないような時期を世界中が共有して、その後に何を共有するのか? 何を共有したいのか? それをディスカッションしながら、作品を作れたらいいなと思ったことがキーワードにした理由のひとつ。表現者の皆さんには自由であってほしいと思っています。今を生きている方々が応募してくれる『面白いこと』『発信したいこと』には、共有という要素は入ってくる気がしています」と明かす。そして「このプロジェクトがずっと続き、映画を作りたい人へのチャンスとなるようなものに育っていけばいいなと思っています」と願いを込めていた。
「DIVOC-12」は、2021年に全国公開。
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