第77回ベネチア映画祭が開幕 厳重なコロナ対策の中ケイト・ブランシェットらゲストが到着
2020年9月3日 15:00

[映画.com ニュース]第77回を迎えたベネチア国際映画祭が、現地時間の9月1日に開幕した。新型コロナウィルスの影響で世界各国がロックダウンを経験して以来、初の大型映画祭の復活となるだけに、大きな注目を集めていたが、厳重なコロナ対策が敷かれ、マスクの顔が並ぶ歴史的な映画祭となった。
まずはレギュレーションに様々な変更が見られた。たとえばチケットはプレス試写も含めて完全予約制に。会場では1席ずつ開けるために定員はこれまでの半分となった分、上映回数も増やされた。また屋内では上映中も含めてマスク着用が義務付けられ、映画祭エリアに入るときに体温をチェックされる。もちろん、会場の至るところに除菌ジェルも設置されている。
ベネチアではマスク着用は夜間のみの義務付けだそうだが、会場周辺では多くの人が昼間もマスクを付けている。それでも今年はゲストもジャーナリストも例年より少ないため、あまりストレスは感じない。

オープニングに選ばれたイタリア映画「Lacci」組は、主演のアルバ・ロルバケルが急遽欠席したため、華やかさに欠けたが、コンペティションの審査員メンバーは、団長のケイト・ブランシェットをはじめ、マット・ディロン、リュディビーヌ・サニエ、クリスティアン・ペッツォルトらが揃い、今回栄誉金獅子賞を授与されたティルダ・スウィントンの姿もあった。
ブランシェットは会見で、「ベネチアに来られたことは奇跡だと思いますし、とても光栄で大いなる喜びです」と語り、「もちろん(ここに来ることは)勇気が必要でしたが、どんなプロジェクトにも勇気は必要とするものです。ここに居る、ということが大切だと思いましたし、いま映画界は多くのサポートを必要としている。これはグローバルな問題です」と発言。また家族でクリストファー・ノーランの公開になったばかりの新作「TENET テネット」を劇場に観に行ったことを明かし、映画産業をサポートする強い意識を感じさせた。
さらに映画祭ディレクターのアルベルト・バルベラは、「アーティスティックな映画や若い監督たちは、いまこそサポートを必要としています。パンデミックからわたしたちが学ぶことは多い。今後は他の映画祭とも協力し合い、互いのセレクションの作品を上映したり、よりコラボレーションをしていく形になるでしょう」と語った。その言葉を裏付けるかのように、開幕にはカンヌ、ベルリン、ロッテルダムなど、世界7大映画祭のディレクターが集まりステートメントを発表した。
セレモニーでは、今年7月に亡くなったエンニオ・モリコーネをたたえ、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の曲を、ローマ・シンフォニー・オーケストラが演奏した。指揮棒を握ったのは、モリコーネの息子、アンドレア・モリコーネ。名曲の調べに、映画産業を支える人々の思いが重なり、胸が熱くなった。(佐藤久理子)
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