イーストウッドが映像化を熱望した実話 両手に障がいを抱える天才演奏家を描く「マイ・バッハ」予告編
2020年7月23日 12:00

[映画.com ニュース] “20世紀最も偉大なバッハの奏者”と称されるピアニスト、ジョアン・カルロス・マルティンスを描いた「マイ・バッハ 不屈のピアニスト」の予告編がお披露目された。名匠クリント・イーストウッドも映像化を熱望していたという、ジョアンの波乱万丈の生涯。映像には、両手に障がいを抱えながらも、鍵盤を血だらけにしながら演奏する、鬼気迫るシーンが映し出されている。
幼少期から“天才”と呼ばれ、20歳にはクラシック音楽の殿堂として知られるカーネギーホールで鮮烈なデビューを果たしたジョアン。しかし、不慮の事故により右手の3本の指に麻痺がおこり、やがて左手にもハンディキャップを負い、命の危機に晒されてしまう。しかし、苦難を幾度も乗り越え、リオパラリンピックの開会式で演奏した国歌は、世界中の人々を虜にした。当初はイーストウッド監督が映像化を切望していたが、本作のプロデューサーであるブルーノ・レザビシャスの直談判がジョアンの心を動かし、映像化権を獲得。マウロ・リマ監督がメガホンをとり、アレクサンドロ・ネロが主演を務めた。バッハの名曲の数々など、劇中のすべての音楽は、ジョアン自身が演奏している。
予告編は、音楽さえあれば何も恐れるものはなかった絶頂期から一転、突然の悲劇に襲われ、破滅へと向かっていくジョアンの姿を活写。「その手を動かしているのは天使か? 悪魔か?」というテロップに導かれるように、ジョアンはボロボロになりながらも、ひたすら鍵盤を叩き続ける。しかし、「それでも私は音楽をやめない」と呟き、満身創痍でステージに立つ姿が胸を打つ映像となった。
「マイ・バッハ 不屈のピアニスト」は、9月11日から東京・ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開。
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