マイ・バッハ 不屈のピアニスト

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マイ・バッハ 不屈のピアニスト
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解説

「20世紀最高のバッハの演奏家」と称され、事故によるハンディキャップを抱えながら、不屈の精神で困難に立ち向かったピアニスト、ジョアン・カルロス・マルティンスの半生を描いたドラマ。病弱の幼少期にピアノと出会い、その才能が大きく開花させたジョアン・カルロス。その才能を伸ばしていったジョアンは、20歳でクラシック音楽の殿堂として知られるカーネギーホールでデビューを飾り、「20世紀の最も偉大なバッハの奏者」として世界的に活躍するまでになる。一流の演奏家として世界を飛び回っていたが、不慮の事故により右手の3本の指に障害を抱え、ピアニストとしての生命線である指が動かせなくなってしまう。しかし、不屈の闘志でリハビリに励んだジョアンは、ピアニストしての活動を再開。自身の代名詞ともいえるバッハの全ピアノ曲収録という偉業に挑戦する。そんな中、ジョアンはさらなる不幸に見舞われてしまう。

2017年製作/117分/R15+/ブラジル
原題:Joao, o Maestro
配給:イオンエンターテイメント

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映画レビュー

4.0この音楽家の演奏にもっともっと浸りたくなる

2020年9月29日
PCから投稿

音楽家の物語といえば欧米メインとなるケースが圧倒的に多い中、本作の舞台はラテンアメリカ。それだけでも非常に意義深い作品ではないか。主人公の神童ぶりは、まだ幼い少年時代の描写から鮮烈だ。どんな難しい練習曲も「タッタタ、タッタタ」とたやすく拍を諳んじてみせ、音楽への情熱は人一倍。それに、いつしか世界進出する彼には無邪気で奔放なところもあって、そこがまた人を(特に女性たちを)惹きつける。

演奏場面で俳優の表情と手の動きをきちんと活写するあたり、相当な準備期間を経てこの難役に挑んだものと感じた。そして苦難に次ぐ苦難と対峙する後半は人間ドラマとして力強く、言葉以上に音楽が魂のうねりを代弁する。決してあきらめない。絶望しない。自分にやれる範囲で情熱を捧げる。その人生が巡り巡って音楽の響きにもいっそう輝きをもたらしているかのよう。本作を鑑賞後、この音楽家の演奏にもっともっと浸りたい思いで一杯になった。

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牛津厚信

4.0端正な演奏と裏腹の軽率な“やらかし”の描写はラテン気質ゆえか

2020年9月15日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

興奮

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高森 郁哉

5.0芸術への執着は破滅的探求

きりんさん
2021年5月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

「芸術への執着は破滅的探求」
これ、いつか見た光景です
僕も鍵盤を血で汚したことがあるから。

0か100かしか選べなかったぶきっちょな僕は、10年ほどバッハを弾いたあときっぱり音楽はやめ、膨大な書き込みのある楽譜も全部捨てました。

「神経を切って言語中枢を残すか、あるいは言葉は失ってでも手を温存するか」、
― ピアニスト、ジョアンが立たされたこの究極の選択は「弾くか」「死ぬか」の、つまり0:100の決定だったのでしょう。

凡人の僕は、鍵盤を捨ててしまっても こうして平気で生きていますが、ジョアンはそうではなかったはず。

DVDを、空いた時間に細切れで観たけれど、どの場面から再生してもあの本人の音源と、役者の一途さには、鼻水を垂らして僕は泣くばかりでした。

・・・・・・・・・・・・

【残った左手で弾く】
「左手のためのピアノ協奏曲」(モーリス・ラヴェル作曲)。
ジョアンの妻はこの譜面を、夫のために棚の下のほうから見つけ出して、彼のためにピアノの上に置いてあります。
いろいろの思いはおくびにも出さないで。

実は左手のための鍵盤曲はちゃんと世の中に存在していたのです
元々は右手を失った戦傷者のために創出されたと言われています。
日本では半身麻痺から再起したピアニスト舘野泉が有名。
シューマンも過練習で手を壊して作曲家に転向した人物。

時を見て、夫のためにラヴェルの楽譜をそっと出した妻=弁護士のカルメン。良き理解者。

【楽譜のネガの部分を弾く】
【フェルマータは延ばす印ではない】
モーツァルトやベートーベン以降の古典派の楽譜では、私たちが音楽室で習ったとおりで「フェルマータは延ばす印」です。半円の中に点のマーク。

しかし、それ以前のバロック時代においてはフェルマータの用法は逆です。真逆です。
⇒「延ばさないで止める」「残響を消すために止めて待つ」の意味なのです。

『そもそもイタリア語における"fermata"とは、「停止」を意味する名詞である(例えばバス停の標識には"Fermata"の表示がある)。』Wikipedia

楽譜の研究者が、
延ばすはずのフェルマータ記号が、バッハのスコアにおいてはどうもおかしい事、
つまり他声部は止まらずに流れているのに、(=つまり同時に全体が流れて行くはずのスコア楽譜なのに)、何故かひとつの声部にだけフェルマータ記号が付いているケースを発見し、バッハに代表されるバロック時代の、独自のフェルマータの用法・意義が判明したのです。

【バッハ弾きにおいては、フェルマータは「無音」指定】

ゆえに、そこを踏まえて、
僕がこの映画で特に心引く一語として残ったのが教師とジョアンの問答なのでした、
「君に奏でて欲しいのは静寂」
「音楽のポジではなくフイルムのネガの部分」
「休符だ」
ああ、これわかります!
僕もパイプオルガンを独習していてこの“秘密”を発見しました。演奏は埋めることではなく、引くこと。
音楽の奥義は音を出さないことなのです。

・・・・・・・・・・・・

【楽譜の指示する無音部分を無音として弾く】
①パイプオルガンは、他の鍵盤楽器と全く違い、音の頭に強音のアクセントを付けることは出来ない。そして他の楽器と異なる特徴としてはキーを押している間は音量は減衰なく、永遠にその音が鳴る。

②ところが、人は鳴り続けている音にはわりとあっけなく無感覚になる。音が切れた(静寂が戻った)瞬間に「音が鳴っていたこと」「音が消えたこと」に気がつく。
特にバロック様式の演奏において、旋律が複数絡み合う「多声音楽」では、聞こえにくくて聴衆の耳と印象に残りにくい内声部の音価は「敢えて短く切ってしまうことでその音が長く聴こえる」と言う不思議な手品が引き起こされるのです。
10延ばさなければならない音価の音符を、敢えて8で切って静寂を置くことで逆に指定されている10の音価が強調されて11に聴こえるのです。
⇒これこそがバッハの時代のフェルマータ。

例1:有名人が亡くなると、「巨星落つ」と報じられ、巷の人間は「へー、あの人はまだ生きていたのだなぁ」と知らされ、死によって命が持続していたことに気がつく。

音が終わること、命が終わること=休符と静寂の回復によって、それまで延ばされていた音は「鳴っていたこと」と「消えてしまったこと」との両方が同時に成立し、初めて音に印象と生命が宿るのです。

例2:潜水艦の映画を観ると必ず艦内に響いている「あの音」。「コーン、コーン、コーン・・」ご存知ですね?
機器が正常であり、順調に動いている合図の信号音なのだそうです。異常発生時には「音が消えることによって」艦員に緊急事態を知らせます。
警報ブザーやベルは電源喪失時には鳴りません。使えません。
だから「音が消えることによって」何事かを=異常を=知らせる方法を残してあるのです。

説明が長くなりましたが、
音の減衰のあるピアノやチェンバロならなおさら意識して音を消し、静寂をアピールしなくてはならない。
・・ジョアンの教師が「無音こそ音楽の生命だ」と教授したあのシーンには、我が意を得たりでした。僕しか知らない奥義だと思っていたので(笑)

ジョン・ケージは「4分33秒」という画期的な前衛ピアノ曲を作りました、興味のある方は動画検索して下さいね。

・・・・・・・・・・・・

それにしても
思わぬ所から=クラッシック音楽の郷里ではない遠い大陸から
ダンタイソン=ベトナム
ランラン=中国
アルゲリッチ=アルゼンチン
そしてバレエではジョルジュドン=同アルゼンチンなど、
奇跡のように突然変異の演奏家が誕生する、この現象は一体何なのだろうか。不思議だ。

本作中の録音はすべてジョアン・カルロス・マルティンス本人の物。
ジョアンのバッハはリズム重視。タンゴとサンバの血を彼は出自のベースに内包しながら、安易に南米風に、また万人好みのフュージョンに流れていく危険を徹底的に排し、バロック時代のバッハの楽譜に正面から向かっている。
この姿勢に、何よりも打たれた。

以上、
僕まで久しぶりに無我夢中になって、長文を書いてしまいました。

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きりん

4.0誰かが言っていた!諦めない事こそが才能!

2021年5月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

知的

全くノーマークで、緊急事態宣言の中、
スクリーン数の少ない極小ミニシアターは営業しており
お目当ての映画と二本立てだったので鑑賞!

凄かった!

小さなころから天才ピアニスト!それは間違いないが
海外に出たとたん娼館に泊まり込みって!
才能は有るけど破滅型の人間の話なのかな?
と思いきや、事故でピアノの道が危うくなっても
酒や女に崩れることなく、
鍵盤を血に染めて演奏を続ける執念!

その後も襲ってくる不幸に壊れることなく
音楽を追い続けるその姿勢が
表題のごとく
誰かが言ってた!「諦めない事こそが才能!」

正にその通り!!

この映画が実話で、映画の中の演奏シーンは
すべてホントの音って!!凄すぎる。

で、月に8回ほど映画館に通う中途半端な映画好きとしては

ノーマークだった映画を何かの都合で観たときに
「幸せな出会い頭事故!!」が発生するときが、まま、有る。
この映画もそんな一本!

ぜひ、チャンスがあれば若い人に観て欲しい。

才能があっても人生は一筋縄では行かないし
好きなことやりたかった事と今やってる事が多少違っても
本当にそのやりたかった事が自分の生きる道だと思うなら
王道以外にもその世界に接しながら生きる術は
自分次第で何とかなる!
広い視野で考えるヒントを貰える映画ですよ。

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星のナターシャnova
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