ジョージ・オーウェルの傑作寓話「動物農場」誕生秘話を「赤い闇」に発見!
2020年7月20日 10:00

[映画.com ニュース] ジョージ・オーウェルが1945年に発表した「動物農場」は、人間の農場主に対して革命を起こした動物たちを描いた風刺小説だ。現代へと語り継がれる傑作寓話として知られているが、英俳優ジェームズ・ノートン主演作「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」では、その“誕生秘話”が語られている。
全体主義的ディストピアの世界を描いた「1984年」で知られるオーウェル。「動物農場」に込めたのは、ロシアのスターリン主義と共産主義への痛烈な批判だ。農場主に虐げられてきた家畜の動物たちが、豚のスノーボールとナポレオンをリーダーに革命を起こし、人間を追い出して動物による農場経営に乗り出す。一致団結したかのように見えた動物たちだったが、やがて確執や権力争いが生まれていく。独裁者と化していく豚のナポレオンは、スターリンをモデルにしたとされている。
54年には、ジョン・ハラス監督、ジョイ・バチュラー監督によって長編アニメ化。08年、三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーの配給で劇場公開後、DVD化(発売:ウォルト・ディズニー・ジャパン)もされている。そのジャケット裏面には、宮崎駿監督のコメントを掲載。独裁者を豚に見立てた本作に対して「歴史は繰り返す。支配する者とされる者。その構造は変わらない、ただ……今、豚は太っていない」と語っている。

日本ではこれまで幾度となく出版が繰り返されており、漫画家・石ノ森章太郎氏がコミカライズ、小説家・開高健氏が邦訳で参加したことも。そうそうたる面々が関わってきたことからも、「動物農場」がいかに人を惹きつけてきたか、うかがい知ることができるだろう。
オーウェル(ジョゼフ・マウル)がでタイプしているシーンから始まる「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」は、若き英国人記者ガレス・ジョーンズ(ノートン)がスターリン体制のソビエト連邦の真実を暴く物語が展開。同作には、ジョーンズのソ連における取材が「動物農場」の誕生のきっかけとなったというサブストーリーが盛り込まれている。劇中では、ジョーンズとオーウェルの意外な接点だけでなく、映画の終盤に、オーソン・ウェルズ監督が「市民ケーン」の題材にした実在の新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストも登場。また「動物農場」の農場主の名前が“ジョーンズ”であるというのも興味深い点だ。
「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」は、8月14日から東京・新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開。
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