デビッド・リンチが語る「エレファント・マン」の始まり 知られざる裏側を赤裸々に明かすインタビュー映像
2020年6月26日 08:00

[映画.com ニュース] 鬼才デビッド・リンチが、新たに4K修復版としてよみがえる名作「エレファント・マン」の“始まり”を語るインタビュー映像が公開された。カルト的な人気を博した長編映画デビュー作「イレイザーヘッド」の後で本作の脚本と出会った経緯や、製作会社に映画化を断られ続けた苦難など、知られざる裏側を赤裸々に明かしている。
19世紀の英ロンドンで“エレファント・マン”と呼ばれた実在の青年ジョゼフ・メリックの生涯と彼を取り巻く人々の交流を通して、人間の尊厳に鋭く迫る物語。第53回アカデミー賞で作品賞を含む主要8部門ノミネートを果たし、第34回英国アカデミー賞で作品賞と主演男優賞、プロダクションデザイン賞を受賞した。1981年5月に公開された日本では、同年の配給収入ランキングで第1位を獲得し、社会現象を巻き起こした。そして本国公開から40周年を迎えることを記念し、リンチ監督自身の監修でデジタルリマスター化。幻想的な世界観はそのままに、より美しく生まれ変わった4K修復版の劇場公開が実現した。
優秀な外科医トリーヴズ(アンソニー・ホプキンス)は、見世物小屋で“エレファント・マン”と呼ばれる青年メリック(ジョン・ハート)と出会う。トリーヴズは、極端に身体が変形した彼を研究対象として病院で預かることに。物を言わず怯え続けるメリックは、当初知能が低いと思われていたが、ある日、知性溢れる穏やかな性格の持ち主であることが分かる。その後、新聞で取り上げられたメリックの元を舞台女優のケンドール夫人(アン・バンクロフト)ら上層階級者が訪れるようになるが、トリーヴズは、自分が形を変えた見世物小屋の興行師なのではないかと悩み始める。
インタビュー映像でリンチ監督は、次回作の題材を探していたとき、プロデューサーのスチュアート・コーンフェルドから推薦された4作品の中のひとつが「エレファント・マン」だったと明かす。「頭の中で小さな爆発が起こった気分だった。直感で『これだ!』とすぐに分かったんだ」。リンチ監督は作品に運命を感じ、6つの製作会社に映画化を打診するが、「こんな怪物映画は売れない」と、全て断られてしまったという。
そこでコーンフェルドの紹介で、コメディ俳優メル・ブルックスに脚本を渡す機会に恵まれる。彼はリンチ監督の存在を知らず、「『イレイザーヘッド』を見てから起用するか決断する」と回答。その時のことをリンチ監督は「僕は『終わった』と思った」と振り返る。その後ブルックスは「イレイザーヘッド」を大いに気に入り、ノンクレジットながらも「エレファント・マン」の製作総指揮を務めた。
「エレファント・マン」4K修復版は、7月10日から東京・新宿ピカデリーほか全国で順次公開。新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言の解除後、映画館が再開したことを祝し特別料金の1100円で鑑賞することができる。
(C)1980 BROOKSFILMS LTD
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