大虐殺の血塗られた歴史と「ラ・ヨローナ伝説」が現代によみがえる ベネチア受賞ホラー、7月10日公開
2020年6月18日 16:00
[映画.com ニュース]グアテマラ内戦の血塗られた歴史に、中南米の怪奇伝説を絡めたホラー「La Llorone(原題)」が、「ラ・ヨローナ 彷徨う女」の邦題で7月10日に公開されることがわかった。第76回ベネチア国際映画祭のベニス・デイズ部門で最高賞に輝き、第32回東京国際映画祭のコンペティション部門(「ラ・ヨローナ伝説」のタイトルで上映)に出品された本作。あわせて予告編とポスタービジュアル、場面写真15点が一挙にお披露目された。
初監督作「火の山のマリア」で第65回ベルリン国際映画祭の銀熊賞を受賞したハイロ・ブスタマンテ監督がメガホンをとった。題材に選んだのは、1960年から36年もの長きにわたり、約25万人の死者を出したと言われるグアテマラ内戦。中でも第26代大統領ホセ・エフライン・リオス・モントが統治した81~83年は恐怖の時代であり、約3000人が政府軍により殺害、または行方不明となった。この歴史的な悲劇に「ラ・ヨローナ伝説」を取り入れ、幻想的な世界観で紡いだ恐怖の物語を、現代によみがえらせる。
ラ・ヨローナ伝説とは、夫に捨てられ、ふたりの子どもを溺死させた末に自殺した女が、死後も魂となってこの世を彷徨い続けているというもの。その嘆きの声は人々を怖がらせ、ジェームズ・ワンが製作を務めた映画「ラ・ヨローナ 泣く女」でも描かれた。
「泣いたら、殺す」という言葉とともに、母親と子どもたちは兵士に殺害された――大勢の犠牲者を出した、グアテマラの軍事政権による大虐殺。30年後、当時将軍だったエンリケは虐殺を指揮した容疑で裁判にかけられるが、証拠不十分として無罪になる。国民が糾弾するなか、家族と屋敷に戻ったエンリケの耳に、その夜から不思議な泣き声が聞こえるようになる。そんなある日、若く美しいメイドのアルマがやってくる。屋敷で働くようになった彼女の周囲で、奇妙な出来事が起こり始める。
予告編の冒頭では、血生臭い殺戮をめぐる歴史的裁判が展開。世間のバッシング、夜にこだまする女のすすり泣き、そして子どもを亡くしたというアルマの不穏な行動が、エンリケと家族を少しずつ追いつめていく。ポスターは、ラ・ヨローナ伝説を想起させるように、水面に浮かぶアルマをはかなげな表情をとらえた幻想的なビジュアルに仕上がった。
「ラ・ヨローナ 彷徨う女」は、7月10日から東京の新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国で順次公開。
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