マカロニ・ウエスタンの伝説、「コリーニ事件」で難易度MAX演技に挑戦 インタビュー映像入手
2020年6月6日 13:00
[映画.com ニュース] ドイツの現役弁護士作家によるベストセラー小説を映画化した「コリーニ事件」に出演するイタリアの名優フランコ・ネロのインタビュー映像を、映画.comが入手した。映像内では流ちょうな英語でインタビューに答えるネロだが、本作では全編ドイツ語で演技をしなければならず、その苦労を語っている。
フェルディナント・フォン・シーラッハによる原作は、40カ国以上で翻訳され、ドイツ国内の累計発行部数は50万部を突破。作中で語られた“法律の落とし穴”がきっかけとなり、出版後の12年にはドイツ連邦法務省が省内に調査委員会を立ち上げるなど、まさに小説が国家を揺るがす事態となった。
「続・荒野の用心棒」で知られ、これまで100本以上の主演作を持つ御年78歳のネロ。自身が演じたコリーニは、イタリアからの移民としてドイツで30年以上模範的な市民として暮らしていた男。労働者であるコリーニとは縁のなさそうな経済界の大物実業家を殺害し罪に問われるのだが、事件については一切口を開かない。物静かなコリーニはなぜ殺人を犯したのか。
コリーニについて、ネロは「セリフが少ない役は役者にとって最も難しいもの。ただでもダイアローグが少ないうえに、難しいドイツ語を話さないといけなかった。だから表情ですべてを表現するしかなく、かなり難しかった」と、自身にとっても難易度の高い挑戦であったと告白。
本作のメッセージについて問われると、「人生で悲観的になってはいけないということ。どんなときにも希望はあるし、運命で決まることもある」と、アフリカの古いことわざを用いて説き、渋かっこいい魅力を発揮している。
「コリーニ事件」は、6月12日から新宿武蔵野館ほか全国で公開。
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