【「フォレスト・ガンプ 一期一会」評論】“走る男”が世界を変えていく! 数々の名言に彩られたアメリカ現代史のifストーリー
2020年5月12日 10:00

[映画.com ニュース] 新型コロナウイルスの影響により、多くの新作映画が公開延期となり、映画ファンの鑑賞機会は減るばかりです。映画.comでは、「映画.comオールタイム・ベスト」(https://eiga.com/alltime-best/)に選ばれた、ネットですぐ見られる作品の評論を毎週お届けいたします。今回は「フォレスト・ガンプ 一期一会」です。
ブラジルにいた蝶の羽ばたきがテキサスでトルネードを引き起こす。風が吹けば桶屋が儲かる――世界を大きく変えていたものが、一見すると無関係のように思える力だったということがある。このパワーは人間にも備わっているが、偉人、哲人、著名人だけに与えられたものではない。世界中の誰もが等しく持っているものだ。1994年、スクリーンに登場した“走る男”の物語には、そんな奇跡の瞬間が溢れている。宝物のような1本。鑑賞後には、きっとそう感じてもらえるはずだ。
監督:ロバート・ゼメキス×主演:トム・ハンクスによる本作は、知能指数は低いが、誰にも負けない俊足とピュアな心をもった男フォレスト・ガンプの数奇な半生を描いた作品。苦難の幼少期、才能を見出された学生時代、生涯の友と巡り合う軍隊時代、会社設立、最愛の人ジェニー(ロビン・ライト)との日々。その人生を追体験していくうちに、フォレストの哲学に気づくはず。それは「人を信じ抜くこと」「“一期一会”の瞬間を決して忘れないこと」というもの。この2つの思考が、彼の人生を豊かなものにしていくのだ。
本作の特徴は、1950~80年代の史実が盛り込まれている点だ。その歴史的背景に「もしもフォレスト・ガンプが関わっていたら」というフィクションが介在していく。つまり“アメリカ現代史のifストーリー”となっているのだ。エルビス・プレスリーとのセッション、歴代の米国大統領との交流、ジョン・レノンに与えた影響、スマイリーフェイスの誕生秘話など、実にユニークなエピソードばかり(ある“果物会社”への投資は「今だったらどの位の儲けが…」と考えてしまうはず)。ゼメキス監督が創り上げた夢想は、世界中の誰もが「フォレストだった可能性」を示しているのかもしれない。
背骨の歪みが原因で装着していた脚装具、アメフトのスパイク、軍靴、エビ漁で履く長靴、汚れていくナイキのスニーカー。フォレストの人生が“足元”に反映されている部分も見逃せない。「走れ! フォレスト! 走れ!」という言葉を受け、全力で時代を駆けるフォレスト。このエールのような名台詞が多数登場するのもポイントだ。「人生はチョコレートの箱のようなもの。開けてみないと分からない」「バカをするやつがバカなんだ」「前に進む時には、過去を後ろに置いていきなさい」。示唆に富む言葉の数々は、何度も思い返してしまうほど、心に深く刻み込まれるだろう。
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