人気声優の森川智之、洋画吹き替えの魅力とは?「細部まで味わってもらえる」
2020年3月30日 13:00

[映画.com ニュース] アメコミの人気キャラクターを主人公にした「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」(公開中)の日本語吹き替え版で、ハーレイ・クインと対峙する宿敵ブラックマスクの声優を務める森川智之が取材に応じ、「今までいろいろな悪役を演じてきましたが、ここまで振り切れたサイコな悪役は初めて」と手応えを示した。
ジョーカーとの破局を機に、すべての束縛から解放され“覚醒”したハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)が、ゴッサムシティを牛耳るブラックマスクを相手に大暴れする本作。ブラックマスクを演じるのは、これまでも森川が数多くの吹き替えを担当している英俳優のユアン・マクレガーだ。
「ユアンといえば、舞台経験もある正統派の俳優さんで、演じてきた役も正義感が強いキャラクターが多かったですね。でも、今回のブラックマスクは、そんなイメージが覆りますよ。とても新鮮だなと思いました。悪に徹しているし、どこか楽しんで演じている部分もある。ユアンの魅力は、どんな役でも自然に演じこなすところ。彼が悪役に挑んだことで、作品自体がさらに引き締まったと思います。変わらぬ安心感がありますよね」
そんなブラックマスクに声で命を吹き込む上で、苦労したのが「表の顔をどう表現するか」だったと振り返る。「悪いやつが、悪いことをする。それは演じやすいんですけど、ブラックマスクって、自分なりの理想論で、ゴッサムシティを支配したいという邪悪な野心を表には出さないんですよ。いかにそれを隠し通すか? 悪いやつほど生き残るという“そこはかとない悪”がテーマでしたね。僕、根がいい人なので(笑)」
マクレガーに加えて、トム・クルーズ、ジュード・ロウ、キアヌ・リーブスの吹き替えも担当している森川をはじめ、人気・実力を兼ね備える声優たちの活躍によって、「洋画は日本語吹き替え版で鑑賞する」観客が増加しており、若い世代を中心に映画ファンの裾野が広がっている。
「字幕、吹き替えそれぞれに良さがありますが、確かに吹き替え版に注目してもらえる機会が増えているので、僕らとしても、今まで以上にやりがいを感じられるようになりましたね。映画そのものも、時代の流れで変化していて、今は画面の情報量が格段に増えているじゃないですか。ですから、吹き替え版だからこそ、細部まで味わってもらえるという魅力がありますね。『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』はまさにそんな映画。ハーレイ・クインの予想もつかないアクションはもちろん、美術や衣装の色彩も見どころ。文字通り、一挙手一投足が見逃せない、まばたき厳禁の作品です。もちろん、ブラックマスクの極悪ぶりにも注目してほしいですね」
「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」は大ヒット公開中。日本語吹き替え版では、「スーサイド・スクワッド」に続き東條加那子がハーレイ・クインを演じるほか、花澤香菜が物語のカギを握る少女カサンドラ・ケイン(エラ・ジェイ・バスコ)の声を担当している。
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