宇垣美里、ハラスメント撲滅に向け「世間がNOを突きつけること」の大切さ訴える
2020年2月15日 07:00

[映画.com ニュース]アメリカで視聴率No.1を誇るFOXニュースで起きたセクハラ告発事件を映画化した「スキャンダル」の試写会が2月14日、都内で開催され、上映後にフリーアナウンサーの宇垣美里と社会学者の古市憲寿によるトークイベントが行われた。
TV業界の“帝王”を相手に果敢に戦う3人の女性の姿を描く本作。宇垣は映画で描かれるセクハラを「醜悪」と断罪し、巨大な敵と対峙し、時に葛藤しながら戦う女性たちには「共感しかなかったです。胸がギュッと苦しくなる中で、それでも最初に声をあげた女性に続く女性たちの勇気に私も頑張らなきゃという気持ちにさせられました」と語る。
TVでコメンテーターを務める機会も多い古市は、セクハラやパワハラについて「日本で現在進行形で起こっている問題もたくさんある。それこそ、男性の会社員が家に帰ってきて見るニュース番組のアンカーはたいてい女性。減ったとはいえ正直、セクハラもまだまだあると思う」と語り「心配なのはこの映画を見てあまりショックを受けないというか、『これってよくあることだよね』と思っちゃう人が日本で多いのかなって思う」と日本の現状を憂う。
自身の経験の中でセクハラやパワハラを見聞きすることも多々あるようで、古市は「どこまで言っていいのか」と苦笑いしながら「東大でもあったしジェンダー研究の専門家がセクハラをしていたり、TV局でも『困っている』という女性アナウンサーの話を聞いたことがある」と明かす。
ハラスメントをなくすためには? との問いに宇垣は「『それは言っちゃダメだよね』とか『それを笑いにしちゃダメ』と世間が『NO』を突きつけることが一般化していき、常識となっていけば、人を傷つける社会構造がなくなっていくのかなと期待しています」と語り、古市は「社会は急には変わらないので、ちょっとずつ意識を変えて、ハラスメントをしても得しない仕組みを作っていくしかないのかな」とシステムの構築を訴える。さらに「みんながスマホを持っていて、ありとあらゆることが録音・録画されていてもおかしくない。スマホみたいなものが(ハラスメントを)減らしていくカギとなると思う」との見解を口にした。
この日はちょうどバレンタインだったが「女性が男性に贈る」という慣習も大きく変化しつつある。近年では義理チョコを禁止する会社も増えているが、毎年、自身のために大量のチョコを買うという宇垣は「ほしいものは自分で買えばいいし、もらって困る男性、お返しを考えるのが大変という男性もいると思う」と賛同。
「チョコが主食」と語る古市は「そもそもおいしくないチョコをもらっても嬉しくない」と語り、さらに“手作りチョコ”について「農園でカカオから作るならともかく、売ってるチョコを溶かして作るだけなら、むしろチョコを劣化させてるだけ。だったらちゃんとしたところのチョコを買ってほしい」と持論を語り、笑いを誘っていた。
「スキャンダル」は2月21日より公開。
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