阪本順治監督、「KT」17年ぶり上映に持論「今の日韓関係にリンクすれば」
2019年11月30日 15:52
1973年、当時野党のリーダーだった金大中氏が日本で拉致された事件の真相に迫る日韓合作。阪本監督は、「日韓共催のサッカーW杯で盛り上がろうという時期で、日韓の間で何があったのか認識もせずシェイクハンドするのはいかがなものかというところから始まった。当時、金大中も大統領になっていたのでストレートにやることができるだろうということで日韓合作になった。悪く言えば、W杯に水を差そうということです」と製作意図を語った。

だが、製作時は「自宅のマンションを見張られていたり、恐怖心は当然あった。韓国の俳優もオファーにちゅうちょした人もいた」という。韓国で公開された際にも、「泣いて怒る人もいたし、日本人が私たちの苦しみを分かったふりをしないでほしいと言う記者の方もいた」と振り返った。
それでも、「何かを告発しようということではなく、守る側と罪を犯す側を描くのが目的。いくら調べても分からないことがあったので、そこは大胆な仮説を立てた創作もある」と説明。公開時は金氏から「ほとんど、この通りでしょ」というコメントももらったそうで、「当時は日韓の問題だけではないというところまで届けばと期待した。日韓ともいまだに米国の手のひらの上で踊らされているわけだから、今の日韓関係、米国の存在にリンクしていただければありがたい」と言葉に力を込めた。
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

キャンドルスティック
【予告編だけでこんなに観たくなること…ある!?】阿部寛、10秒でAIを騙す――狂おしいほど面白そう
提供:ティ・ジョイ

映画「F1(R) エフワン」
【語れば語るほど、より“傑作”になっていく】上がりきったハードルを超えてきた…胸アツをこえて胸炎上
提供:ワーナー・ブラザース映画

たった“1秒”で爆発的に話題になった映画
【この夏、絶対に観るやつ】全世界が瞬時に“観るリスト”に入れた…魅力を徹底検証!
提供:ワーナー・ブラザース映画

でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男
【あり得ないほど素晴らしい一作】この映画は心を撃ち抜く。刺すような冷たさと、雷のような感動で。
提供:東映

すさまじい“魂震作”だった――
【あまりにも早すぎる超最速レビュー】全身で感じる、圧倒的熱量の体験。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント