「スター・ウォーズ」の世界観に響く「成田屋!」の掛け声 市川海老蔵&堀越勸玄くんが親子共演
2019年11月28日 21:56

[映画.com ニュース] 大ヒットSFシリーズの最新作「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」の公開を記念した「スター・ウォーズ歌舞伎 煉之介光刃三本」が11月28日、東京・めぐろパーシモンホールで上演され、市川海老蔵(11代目)と、息子・堀越勸玄くんが“親子共演”を果たした。
「スター・ウォーズ歌舞伎 煉之介光刃三本」は、シリーズのポイントとなる3シーンが3部構成で演じられ、作品の根幹を成す“家族の愛と喪失”をテーマに描かれる。監修・主演を務める海老蔵は、祖父ダース・ベイダーの遺志を受け継ぎ、銀河の圧倒的支配者となったカイロ・レン=魁煉之介(かいれんのすけ)、伝説のジェダイであるルーク・スカイウォーカー=皇海大陸琉空(すかいおおおかるくう)の2役に扮する。また、勸玄くんは、“魁煉之介”の幼少期を演じることになった。

上演前には「大本山 増上寺」の導師によって、「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」の大ヒット、「スター・ウォーズ歌舞伎」の成功を祈願。その後、意気込みを聞かれた勸玄くんは「頑張ります!」と力強く答え、場内から大きな拍手を受けていた。「子どもたちと『スター・ウォーズ』をよく見ている」という海老蔵。「特に勸玄は、昔に製作された作品(最初の3部作『オリジナル・トリロジー』)の方が好きなんです。クリアな映像よりも、古い映像に見入っている」と明かしていた。
今回のオファーについて「かなり前からお話を頂いていました。『そのようなことができたらいいね』とふわっとした話をしていたら、(実現したのが)今日になってしまった。オファーを受けたというよりも、僕からも『こういうことができますよ』という部分もちらほらある」と告白した海老蔵。「スター・ウォーズ」を好きになったきっかけは、「やっぱり、父(市川團十郎さん)ですね。父は宇宙が好きでして、子どもの頃から本格的な望遠鏡で星を見せてくれていました。『スター・ウォーズ』が、父の心に響いたんでしょうね。映画に連れていかれたのが始まりです」と話していた。

そして「『スター・ウォーズ』は、歌舞伎とよく似ているんです。市川團十郎家には“歌舞伎十八番”がございます。(その根本となる)勧善懲悪は『善が悪を倒す』というもの。(『スター・ウォーズ』は)今のところ、善と悪がしのぎを削っている状態ですよね。恐怖、不安が原因となって“ジェダイだとしても暗黒面に引きずり込まれる”という部分に魅力を感じます」と熱弁。公開間近となった「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」については「これで本当に終わるんですよね(笑)? 終わるのであれば、やはり正義に勝ってもらいたい。でも、そうではない可能性もある。そこが見どころですよね」と期待を寄せていた。
本番が始まると、C-3PO、R2-D2、BB-8による前説、口上に続き、魁煉之介が父親である半蔵(はんぞう=ハン・ソロ)との親子関係に葛藤する第一場「父への刃」、上司である敷能角(すのうかく=スノーク)との確執を軸とした第二場「主君への刃」が披露。第三場「師への刃」では、海老蔵が煉之介と琉空を早替わりで表現すると、客席からは「成田屋!」の掛け声が響き渡る。やがて、幼き日の煉之介に扮した勸玄くんが「私は切り裂かれた」と悲しみを語り、物語はクライマックスへ。2度のカーテンコールに応じた“親子”に、万雷の拍手が送られていた。
「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」は、12月20日から日米同時公開。
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