藤田恵名、西村喜廣ワールドに見事にはまった鍵は思い切りの良さ
2019年10月13日 18:00

[映画.com ニュース] 「今一番脱げるシンガーソングライター」として話題の藤田恵名が、西村喜廣監督の新作バイオレンス映画「WELCOME TO JAPAN 日の丸ランチボックス」に主演した。その役どころは、お弁当箱で戦う顔面日の丸の女殺し屋。見た目も中身もエキセントリックなキャラクターに体当たりで挑んだ藤田に話を聞いた。
藤田が2018年にリリースした楽曲「言えない事は歌の中」のミュージックビデオをもとに、同MVも手がけた西村監督が自ら長編映画化した。物語の舞台は、2020年・東京。極右組織に育てられた女殺し屋キカは、大東亜世界体育大会の開催にあわせ各国から訪れる不良外国人の抹殺を命じられる。一般人の日常に初めて触れる中、あるアイドルと少女と出会ったことで、キカの中で何かが変わる。
「私が初めて主演した大畑(創)監督の『EVIL IDOL SONG』の現場で、共演の方がよく西村組に参加していて『いつか一緒にやることがあるんじゃない』と言われたことをすごく記憶していたので、伏線の回収ができたという気持ちになりました」
「ご一緒する前から、使う血の量が半端ないよとか噂では聞いていたので、西村ワールドってこういうことかって。ミュージックビデオを撮った時も、口から血を出すシーンで血まみれどころの騒ぎじゃなかったんです。思いっきりがいいって、こういうことなんだなと思いました」
「ルックスとか、弁当箱で人を殺すってどういう事?みたいな(笑)。西村監督ならではの世界観を、私がどう体現できるかなと思いました。でも、やるからには思い切りやる。脱ぐ意味では日頃から体を張っているので、本番で上手く動けなくても、死に物狂いで殺そうとしているという姿がわかればいいという開き直りでなんとか行けました。このビジュアルで主演映画って嘘でしょ、ギャグかよとは思いましたけれども(笑)、『今一番脱げるシンガーソングライター』というインパクトを掲げて活動しているので、監督となにか通ずるものがありました」

「アクションをやったことなかったし、お弁当箱を持ってのアクションだったので謎の部分の皮が剥けました。それに、殺し屋の気持ちになったことがないから、入り込みが分からなかったんです。自分に危害を与えてない人間をどれだけ憎めるかっていう感情に持っていくのが結構大変でした」
「キカがやっと人間の世界に出てきて愛せる人を見つけた時に、その子が残酷な姿になっているシーンが、役とはいえすごくつらかったんですよ。リハからつらくて、この世界の話だからって何度も言い聞かせたんです。その後、足にチェーンをつけて引きずって歩くシーンがあるんですけど、それがフラッシュバックして。自分の大事な人がああいう姿になっていたらとかいろんなことを思って、復讐の気持ちがこみ上げてきました」
「ライブでも、普通に話しているときに、『ステージに立ってください』って言われたらガッと感情を持っていけるんですよ。入り込めたがゆえのシーンというか、思い切ってやりきれたのは多分、音楽をやっているからだと思います。そういう意味では女優顔負けの演技ができたんじゃないかなと恐れ多くも思うので、そこは見てほしいポイントです」
劇中のバキバキにとがった印象とは大違いで、インタビューに応えた藤田は天真爛漫であっけらかんとした雰囲気。思い切りの良さと体当たりの姿勢が、過激な西村ワールドに見事にはまったに違いない。
「WELCOME TO JAPAN 日の丸ランチボックス」は、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで開催中の「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2019」で上映。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
感情ぐっちゃぐちゃになる超オススメ作!
【イカれた映画を紹介するぜ】些細なことで人生詰んだ…どうにかなるほどの強刺激
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
映画ラストマン FIRST LOVE
「ドラマの映画化か~」と何気なくつぶやいたら後輩から激ギレされた話「これ超面白いですから!!」
提供:松竹
年末年始は爆発・秒殺・脱獄・名作!!
【全部無料の神企画】今年もやるぞ!ストレス爆散!!劇的チェンジ!! 1年の疲れを吹き飛ばそう!!
提供:BS12
“愛と性”を語ることは“生きる”を語ること
【今年最後に観るべき邦画】なじみの娼婦、偶然出会った女子大生との情事。乾いた日常に強烈な一滴を。
提供:ハピネットファントム・スタジオ
こんなに面白かったのか――!!
【シリーズ完全初見で最新作を観たら…】「早く教えてほしかった…」「歴史を変える傑作」「号泣」
提供:ディズニー
映画を500円で観よう
【2000円が500円に】知らないとめっっっっっっっちゃ損 絶対に読んでから観に行って!
提供:KDDI
今年最大級に切なく、驚き、涙が流れた――
双子の弟が亡くなった。僕は、弟の恋人のために“弟のフリ”をした。
提供:アスミック・エース
ズートピア2
【最速レビュー】「前作こえた面白さ」「ご褒美みたいな映画」「最高の続編」「全員みて」
提供:ディズニー