天海祐希&ムロツヨシ、吉永小百合を“守りたい”「最高の人生の見つけ方」で芽生えた思い
2019年10月10日 18:00
[映画.com ニュース] ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが共演した同名映画を原案にした「最高の人生の見つけ方」が、10月11日から全国公開される。本作で女社長・剛田マ子を演じた天海祐希、マ子を支える秘書・高田学を演じたムロツヨシに、主演を務めた吉永小百合との共演、そして人生観について話を聞いた。
人生のほとんどを家庭のために捧げてきた主婦・幸枝(吉永)と、仕事だけに生きてきたセレブ社長・マ子(天海)。余命宣告を受けた2人が、入院中の少女が書いた「死ぬまでにやりたいことリスト」を代理で実行しようと、自らの殻を打ち破り、今まで気づかなかった“生きる喜び”に目覚める姿を描く。
天海:本当にすごい方々が出られている作品なので、私は日本版ということは逆に意識し過ぎないようにしました。気にしすぎると手も足も出ませんから、そこはもう考えてもしょうがない(笑)。現場では、いつも隣に吉永さんがいてくださったので、すごく心強かったです。
ムロ:僕はもともと洋画で一番好きな映画だったのと、アメリカ版にも登場する秘書を演じるのが一つの目標でした。それがかなったので、アメリカ版が好きだからこそ、役者の方と同じようにならないように、寄せられないように、マ子さんと高田の関係を描けたらなと思いました。
天海:作品同様に現場もすごく優しい世界で、笑顔が絶えなかったです。特に、ムロさんは、気を遣っていないようでものすごく気を遣ってくれる方なので、いい空気を作ってくださるありがたい存在です。「こうしたらどうでしょうか」って監督にアプローチしてくださって、それを取り入れることもありました。
ムロ:タバコのシーンとかそうですよね。マ子と高田の関係性がわかるように、僕があそこに灰皿を持っていっていいですかと提案しました。
天海:そうでしたよね。ムロさんはそのとき「ここまで持っていってもいいですか、持っていきましょうか?」っておっしゃっていて、相手に気を遣わせない気の遣い方なんです。
天海:吉永さんは本当に裏表のない方で、普段もファンの方がイメージされる吉永さんのままなんです。現場では前もってお芝居を作られることより、現場や役者さんの空気感を瞬時に察知して、すっと演じられる。もちろん、事前に台本を読み込んで書き込むくらい下地があるからこそ、瞬時に空気を読むことができるのだと思います。ただ、役の感情に集中しすぎてしまって、手や膝を打ってしまうなど怪我をされそうになるので、私が見えないところで小百合さんの手を握って、お助けしています。小百合さんは、寒くても熱くてもずっと演じることに集中されているんです。その存在で座組を引っ張ってくださる方です。
ムロ:吉永さんに話しかけると、すごく近くまで来てくださって、こちらを一生懸命見ながら会話してくださるんですよ。そのときに本当に思うんです、この方をお守りしたいって。天海さんと吉永さんがお話しされている光景も本当に素敵なんですよ。なんて美しいんだろう、いい関係なんだなっていうのが見ていてわかるんです。
天海:私たちだけじゃなくて、どのスタッフの方にも吉永さんはそうなんですよ。
天海:自分の感情を相手にちゃんと伝えていこうと思いました。“ありがとう”っていう気持ちも、相手に伝えないとなかったことと一緒ですよね。生まれた感情を相手に伝えると、もしかしたらその人も何かを考えてくれるかもしれないし、自分も伝えることで満足できるかもしれないです。普段は伝えることを忘れないように気をつけていますが、時々忘れてしまうこともあります。あのとき言っておけばよかったって後悔しないように生きたいですし、特に「ありがとう」っていう言葉はたくさん伝えていきたいです。
ムロ:気持ちを言葉で伝えるって、身近な存在になればなるほど簡単なことじゃないですよね。 僕は、自分の性格を考えると、仕事の面でも生きていくうえでもやりたいことをしっかり持っておかないとダメなんだなと思います。この作品をきっかけに、何かをしたい、してみたいと考える時間が今まで以上に増えています。忙しく生活したり、のんびり過ごすこともいいけれど、何をしたいか考えることで新しいことに興味を持つ時間も大切だなと思いました。今は、劇中のリストにあったみたいに、もう1回逆上がりをしてみたいです。
「最高の人生の見つけ方」は10月11日から全国公開。
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