「ぼくのエリ」「ボーダー」北欧ミステリーの共通点と見どころを識者が解説
2019年10月5日 13:14

[映画.com ニュース]第71回カンヌ国際映画祭 ある視点部門グランプリを受賞した「ボーダー 二つの世界」の公開を記念し、スウェーデン映画「ぼくのエリ 200歳の少女」(2008)の限定上映イベントヒューマントラストシネマ渋谷であり、映画ジャーナリストの立田敦子氏と、津田塾大学教授の大島美穂氏が、両作の共通点や見どころを語った。
「ぼくのエリ 200歳の少女」は、「ボーダー 二つの世界」の原作者であり、アリ・アッバシ監督とともに共同で脚本を手掛けたヨン・アイビデ・リンドクビストのベストセラー小説「モールス」を2008年に映画化したもの。永遠に年をとらないバンパイアの少女と、孤独な少年の交流を題材にした。「ボーダー 二つの世界」は、人並外れた嗅覚と美しい心を持ちながらも、醜い容姿のせいで孤独と疎外を強いられる女性ティーナと、勤務先の税関で出会った奇妙な旅行者ヴォーレの秘密を描く。
立田氏は「最近ジャンル映画がブームで、市民権を得ていますが、10年前、『ぼくのエリ』はB級映画のような位置だった。しかし、ミステリー、ホラーのジャンルの垣根を越えたボーダレスな作品としていろんな観客に受け入れられた」と公開当時の反響を紹介し、「注目を集めた北欧ホラーを見事に映像化し、幼い純粋な恋を中心に捉えている」ことが、ヒットの理由であると分析した。
また、「ボーダー 二つの世界」を絶賛しているギレルモ・デル・トロ監督の「真実を描くにはクリエーションと想像力を利用する」という言葉を引用し、「ジャンル映画は娯楽としていろんな層にアプローチしやすい。エンタメの箱を使って真実や哲学を描くことでジャンル映画が注目されるようになった」と見解を述べる。そして、これから日本公開される「ボーダー
二つの世界」は、「前情報を入れずに見ると、より衝撃的」とアドバイスした。
北欧研究などを専門とする大島氏は、「ぼくのエリ 200歳の少女」から「北欧的であるものとそうでないもの」が両方発見できたといい、物語の舞台となっている郊外の団地に注目した。「リンドクビストも団地生まれで、団地がなければこの作品は生まれなかったと話しています。コミュニティのつながりがないことが、子どもの成長にどんな影響を与えたのか。また、いじめ問題も世界中にある話。離婚率も高く、子どもの孤独感が背景にあり、それが人びとの心を打った」と普遍的なテーマ性を評価。
そして、両作品に共通するのは「森や苔、湖の冷たさ。北欧の純粋な世界に入る感覚が共通している。特に『ボーダー』は自然に抱かれた作品。エリも『ボーダー』も森の寂しさが共通し、(登場人物は)社会から拒絶されている。日常からは違う場所で真実を見る、という描き方が北欧ミステリーに通底している」と語った。
「ボーダー 二つの世界」は、10月11日から、ヒューマントラストシネマ有楽町・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開。
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

「鬼滅の刃」無限城編&超人気アニメ映画が【500円】で観られる!
【絶対にこの記事を読んでから観て】確実に損しないオトク情報
提供:KDDI

売春婦殺人事件、深刻な麻薬汚染…
遺体発見。妹でないことに、少しだけ安堵した。【現代の闇を描く、注目の衝撃作】
提供:BS10スターチャンネル

絶対に開かないでください。
ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい
提供:ワーナー・ブラザース映画

雪風 YUKIKAZE
【観て、心から本当によかった】「コード・ブルー」「海猿」に涙した人にもオススメしたい新たな傑作
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント、バンダイナムコフィルムワークス

なんだこのぶっっっとんだ映画は!?
【観ないのは映画人生の損失?】狂気的なクオリティでぶち抜く“常識外れの超高評価作”
提供:東映

またピクサーが大傑作つくったんですか…
【ボロボロ泣く感動超大作】両親を失った主人公の再生の物語。そのままの君が、好きだよ。
提供:ディズニー

映画界を変える“究極の推し活”がある!
【革命的すぎてヤバい】大好きな俳優と映画を“まさかの方法”でとことん応援できる!!
提供:フィリップ証券