松尾スズキ、挑戦のR18指定「108」に手応えも自虐「悪い感想は胸に秘めて」
2019年9月24日 22:36
[映画.com ニュース] 演出家で俳優の松尾スズキの映画監督第4作で脚本、主演も兼ねた「108 海馬五郎の復讐と冒険」の完成披露試写会が9月24日、東京・TOHOシネマズ新宿で行われた。松尾は出演の中山美穂、秋山菜津子、岩井秀人らと上映後に舞台挨拶。「私の私による私のための映画を、赤の他人の皆さんに見せてすいませんでした」といきなり頭を下げ、笑いを誘った。
SNSで妻の浮気を知った脚本家が、復讐のため「いいね」を押された数と同じ108人の女性を抱くために奔走するR18(18歳未満入場不可)指定の野心的な作品。撮影は1年ほど前で、この日はほかにも坂井真紀、大東駿介、土居志央梨と主要キャストがそろい「1年たったのに集まってくれるということは、きっと後悔していないという言質を取った」と胸をなで下ろした。
その妻を体当たりで演じた中山は、「とても面白い脚本で、多少はちゅうちょしましたが、内容が勝ってぜひやりたいと思いました。完成した作品を見てゲラゲラ笑ってしまい、こんなに面白い作品はないというくらいでした」とべた褒め。松尾については、「お芝居をすると熱いパッションがあって、日に日にかわいいなと思うようになりました」と笑顔で話した。
松尾とは30年来の付き合いで、大胆なラブシーンにも挑戦した秋山は「本当に作るのかと思いましたが、松尾さんは一度言い出したら突き進む方なので付いていきました。素晴らしかった」と信頼を置いている様子。松尾の妹を演じた坂井も、「監督と主演はとても大変で、お兄ちゃん頑張れという気持ちで本気で心配していた。この作品に参加できたことを誇りに思います」と語った。
出演者の礼賛に照れることしきりの松尾だったが、「脱ぐシーンが多くて演じる時は素っ裸で、(監督として)モニターを確認する時はまたすぐ脱ぐからいいのに1枚は羽織りたかった。その繰り返しが体をむしばんでいった。主演と監督をすることは、こういうことだなと思った」と自虐。さらに、「5年前に構想して、ようやく日の目を見た。これが10日で打ち切られると死んでも死にきれない。悪い感想は胸に秘め、SNSが功を奏すようにつぶやくなり、映えるなり、皆さん、頑張ってください」と切実な思いを訴えた。
「108 海馬五郎の復讐と冒険」は、10月25日から全国で公開される。