インドの5つ星ホテルが無差別テロに立ち向かう「ホテル・ムンバイ」主演俳優の覚悟
2019年9月19日 17:00

[映画.com ニュース] インドで起きた無差別テロ事件を基に映画化した「ホテル・ムンバイ」が、9月27日から全国公開される。主演を務めたのは、「LION ライオン 25年目のただいま」「スラムドッグ$ミリオネア」などで知られるデブ・パテル。撮影を振り返るとともに、実話を映画にすることへの使命感を語った。
本作は、2008年のインド・ムンバイ同時多発テロで、テロリストに占拠されたタージマハル・パレス・ホテルでの人質脱出劇を映画化。パテルは、自らの命を危険にさらしてまで宿泊客を守ろうとする給仕のアルジュンを演じている。
撮影前から、パテルにとってムンバイは特別な場所だったそうで、「僕がムンバイで撮った最初の映画『スラムドック$ミリオネア』は、ムンバイに対する賛歌のような作品だったんだ。映画の終わりに大規模な踊りのシーンがあって、駅に人があふれているシーンが思い出されるんだ。女性も子どもたちもいるし、愛する人たちに会いに行こうとしている人たちや、仕事に向かっている人たちであふれている」と明かす。
そんな場所で起きてしまった襲撃事件に心を痛め、本作には自身の思いも反映したという。「事件には心の底から揺さぶられた。僕の知り合いで犠牲になった人はいなかったけれど、犠牲者やその家族がどのような気持ちだったか想像できたんだ。もし、この事件に関する映画が作られるとしたら、ぜひ関わりたいと思ったよ。だから、台本が作られている途中で僕に出演の話が来たとき、僕の役をどう表現したいか、どんなことに気を使わなければならないか、的確にやらなければいけないことを積極的に意思表示したんだ」。
実話を基にした作品に出演するにあたり、重視したのは“リアル”かということ。「常に真実のみを追い求めながら作品を作っていったんだ。事件で傷つき、命を失った人たちが大勢いて、彼らの遺族もこの作品を見ることになる。僕は作品の準備のためにインドを訪問し、舞台となったタージマハル・ホテルにも実際に宿泊した。シーク教徒たちが暮らすスラムも訪れたし、ターバンの巻き方なども練習したんだ。すべては世の中の人に事件を知ってもらうためだ。実在の人々がテロ行為に負けず、闘い続けてヒーローになった」と、実際のホテルマンたちに敬意を表した。
「ホテル・ムンバイ」は9月27日から全国公開。R15+指定。
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