アメリカ人尺八奏者の半生に迫ったドキュメンタリー「海山 たけのおと」10月5日公開
2019年9月5日 17:00
[映画.com ニュース] 米国カリフォルニア生まれの尺八奏者ジョン・海山・ネプチューン氏の半生を映し出すドキュメンタリー映画「海山 たけのおと」が、10月5日から東京・渋谷ユーロスペースで1週間限定公開されることが決定。あわせて、ポスタービジュアルと場面写真、予告編がお披露目された。
ハワイ大学で民族音楽学を専攻し、尺八と出合ったネプチューン氏。その音色に一瞬で惚れ込み、73年に単身で来日し、京都の都山流家元の門を叩く。数年間にわたる修行のすえ、尺八都山流師範の免許を得て、師匠・三好芫山より雅号「海山(かいざん)」を授かった。それ以降、発表したアルバムは20枚を超え、奏者、作曲家、製菅師という全ての面で、尺八界に大きく影響を与えてきた。尺八の新たな可能性を発掘する姿に異議を唱える者もいたが、「新しい息を吹き込んだ」との称賛も多い人物として知られている。
日本では「伝統」や「古典」というイメージが先行する尺八に対して、真正面から“楽器”として向き合い続けてきたネプチューン氏。撮影開始から約5年の歳月を費やして完成へと至った「海山 たけのおと」では、現在千葉県に住むネプチューン氏の哲学や魅力に、息子でもある映画監督デビッド・ネプチューンが迫っている。
自宅兼製管工房での日常、国内外の演奏活動に密着し、ネプチューン氏に加え、家族、師匠、仲間、彼の音楽に影響を受けた若きミュージシャンたち、音楽界の著名人らにインタビューを敢行。息子独自の視点で、日本の音楽界に与えてきた影響を追い、ひとつの芸術を極めるために“犠牲にしてきた人生”の側面についても、時に息詰まるような距離感から活写している。
ポスタービジュアルは、竹林に囲まれた自宅の工房にいるネプチューン氏を写したもの。予告編では、尺八の音色とともに、ネプチューン氏の波乱万丈な人生模様がとらえられている。「1日10時間の練習」「保守的な環境で受けた“よそ者扱い”」「ジャズを基礎とした作曲」といったエピソードが続き、「音楽は架け橋だと思っている 時間も人智も超えた場所への だから一緒に飛んでいこう」という言葉で締めくくられる。
「海山 たけのおと」は、10月5日から渋谷ユーロスペースで1週間限定公開。なお、公開初日には、ネプチューン氏の生演奏を予定している。
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