「イソップの思うツボ」公開控える上田慎一郎監督、ユニークな発想の源泉を語る
2019年8月10日 14:15
[映画.com ニュース] 昨年、大ヒットを記録した「カメラを止めるな!」のスタッフが再結集する「イソップの思うツボ」の公開記念イベントが8月10日、東京・六本木のYouTube Space Tokyoで行われ、共同監督を務める浅沼直也、上田慎一郎、中泉裕矢が出席。ユニークな発想の源泉について語り合った。
カメだけが友だちの内気な女子大生・亀田美羽、人気タレント家族の娘で恋愛体質の兎草早織、父親と復讐代行屋を営む戌井小柚。カメとウサギ、イヌの名前をもつヒロイン3人が、童話さながらの奇想天外な騙し合いを繰り広げる。
「カメラを止めるな!」の公開以前から企画が始動し、異例の“3人共同監督”によって製作された本作。結果的に、ひとつの作品に3監督の個性がぶつかい合う仕上がりに、上田監督は「すごく珍しいことですけど、この体制がクリエイトにどう影響を与えるか興味があった。まとまらない部分が、逆に作品の魅力になればいいなと思った」と振り返った。
アイデアが生まれる過程については、2011年に自主製作した「お米とおっぱい。」を引き合いに、「明日この世からなくなるなら、どちらがいいか? それをおっさん5人が話し合うだけの映画ですけど、これは僕自身が地元で経験したこと(笑)。映画にならなそうな題材を、いかに映画にするかチャレンジした」と話し、「その発想を膨らませるのも、やっぱり誰かと話すことが大切。机の前では膨らまない」と持論を展開した。
浅沼監督は「カメラを止めるな!」でスチル、中泉監督は助監督をそれぞれ務めており、「まずは作りたいものを作ろうと。それが時代や客層に寄り添っていくことも」(浅沼監督)、「そばで見ていましたが、とにかく(上田監督が)楽しんでいた」(中泉監督)と同作がヒットした理由を分析。イベントに参加したYouTubeクリエーターのRATE先生、財部亮治とのトークも盛り上がり、上田監督は「実は頭の片隅で、YouTubeやってみたいなと思っていて。上田チャンネル……かと(笑)」と新たな挑戦に意欲を燃やしていた。「イソップの思うツボ」は8月16日から全国で公開。