ポランスキー妻、タランティーノ監督を厳しく非難
2019年5月30日 11:00

[映画.com ニュース] クエンティン・タランティーノ監督が最新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」に映画監督ロマン・ポランスキーを実名で登場させたことに対し、ポランスキー監督の妻で女優のエマニュエル・セニエが、SNSを通じてタランティーノ監督を厳しく非難した。
1960年代末のハリウッドを舞台にした本作は、スタントマンの相棒クリフ(ブラッド・ピット)と組んで、再び栄光を取り戻そうと奔走する落ち目の俳優リック(レオナルド・ディカプリオ)の物語を主軸に、チャールズ・マンソンをリーダーとする狂信的カルト集団“マンソン・ファミリー”による女優シャロン・テート殺害事件を絡めて描くもの。テートさんの当時の夫ポランスキー監督をはじめとする実在の人物が、キャラクターとして多数登場する。
テートさんは69年8月、米ロサンゼルスの自宅でマンソン・ファミリーのメンバーらに惨殺された際、妊娠8か月だった。愛する妻とまだ見ぬ我が子を留守中に殺されるという、耐えがたい悲劇に見舞われたポランスキー監督。映画ではテートさんをマーゴット・ロビー、ポランスキー監督をポーランド俳優ラファル・ザビエルチャがそれぞれ演じている。
映画が第72回カンヌ国際映画祭でお披露目されたのを受け、ポランスキー監督の30年来の妻であるセニエは、自身のTwitterにフランス語でコメントを投稿。米ハリウッド・レポーターが独自に翻訳のうえ掲載したコメントで、セニエは「誰かの悲劇的な体験を、当人の気持ちも考えずに都合よく利用するなんて、神経を疑うわ。断っておくけど、映画そのものを批判しているわけではないの。ロマンをのけ者にしておきながら、彼の悲惨な体験をネタに映画を作って金儲けをすることになんら抵抗を感じないハリウッドの映画人たちに、腹を立てているだけ。しかも、ロマン本人に何の相談もなく勝手にね。いい映画かもしれないけれど、アイデアが気に入らない」と、夫の悲劇を断りもなく映画の題材にしたタランティーノ監督のみならず、78年に未成年の少女に性的暴行を加えたとして有罪判決を受けたのを機に、ポランスキー監督を事実上の永久追放としたハリウッド映画業界に対しても、不満をぶちまけた。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」は、8月30日から全国公開。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
プレデター バッドランド
【私が次に観る映画は絶対にコレ】うおお…むちゃくちゃ面白そう――予告とあらすじだけで今すぐ観たい
提供:ディズニー
火の華
【あまりにも凄すぎた】“日本の暗部”に切り込んだ圧倒的衝撃作――フィクションかノンフィクションか?
提供:アニモプロデュース
盤上の向日葵
【「国宝」の次に観るべき極上日本映画に…】本作を推す! 魂の演技対決、至極のミステリー、圧巻ラスト
提供:松竹
てっぺんの向こうにあなたがいる
【世界が絶賛の日本映画、ついに公開】“人生の物語”に賞賛続々…きっとあなたの“大切な1本”になる
提供:キノフィルムズ
好きで好きで、狂いそうになる一作に出合いました
感情移入が止まらない。闇社会でもがく3人の青春と絆が、愛おしくて、たまらなくなる。
提供:THE SEVEN、ショウゲート