北極の世界一大きな島、グリーンランドの暮らしを描く「北の果ての小さな村で」公開
2019年5月9日 13:00
[映画.com ニュース]北極に位置し、大地の80%以上が氷に覆われた世界一大きな島、グリーンランドを舞台にしたフランス映画「北の果ての小さな村で」の公開が7月に決定、このほど俳優の三上博史がナレーションを務める予告編とポスタービジュアルが公開された。サミュエル・コラルデ監督自身が本編の撮影を担当し、予告編では、物語の登場人物たちの関係性のほか、一面の氷の大地、極寒の中を走る犬ぞり隊、オーロラなど圧倒的な自然の光景も切り取られている。
北極に位置するグリーンランドを舞台に、人口 80 人の村の小学校に赴任したデンマーク人の新人教師アンダースが、村の人々や子供たちとの交流を通して、異境の地で生きる術を学んで成長していく姿を描く。2018年のサンダンス映画祭に出品された。
日本の約6倍の面積をもつグリーンランドは、東京ドームの収容人数とほぼ同じ約5万6000人が暮らす。2015年にはじめてグリーンランドを訪れたコラルデ監督は、雪に覆われた遠く離れたこの世界に魅了され、映画の撮影を決意。グリーンランド東部のチニツキラーク村にたどり着き、シンプルかつ心豊かに暮らす村人たちと出会い、映画の舞台に決めた。
撮影前に、数カ月にわたり3度チニツキラークに滞在したコラルデ監督は、デンマークから新人教師が赴任するという話を聞き、その青年を物語の中心に据えることに。主人公のアンダースをはじめ、村の子供たちや猟師などの登場人物は、すべて本人自身が演じ、独特のリアリティがあるドラマを生み出した。また、200年以上の植民地時代を経て内政自治権を獲得し、その後も独立をめざして自立性を高めるグリーンランドと旧宗主国デンマークの関係性も重要な側面として描かれている。
グリーンランド東部、人口わずか80人の小さな村に、28歳のアンダースが、子どもたちにデンマーク語を教えるために赴任した。家業の農場を継ぐか否か、迷った末の“自分探し”の選択だったが、そんな甘い考えはすぐに打ち砕かれる。言語、習慣の違いで授業はままならず、考え方の違いから村人からは孤立気味。そして想像以上に過酷な自然……。そんな時、狩猟のために学校を休んだ児童の一人アサーの家を、叱責するつもりで訪ねたアンダースは、少年の祖父母から様々なことを教えられることになる。
「北の果ての小さな村で」は、7月からシネスイッチ銀座ほか全国順次公開。