「時計じかけのオレンジ」未発表の続編原稿が発見される
2019年4月30日 17:00

[映画.com ニュース] スタンリー・キューブリック監督の代表作「時計じかけのオレンジ」の原作となった、英作家アンソニー・バージェスの同名小説の続編と思しき未完の原稿が、伊ブラッチャーノにあるバージェス氏の旧宅で発見された。
1962年に発表された同著は、近未来の英ロンドンを舞台に、仲間を引き連れセックスと暴力に明け暮れる不良少年アレックスが、仲間の裏切りによって逮捕され、獄中で攻撃的本能を抑圧する洗脳治療を施されて無事“更生”し、社会に戻るまでを描いたディストピア小説。
71年にキューブリック監督により映画化され、凄惨な暴力描写が大きな物議を醸したものの、アメリカでは大ヒットを記録。さらにアカデミー賞作品賞にノミネートされるなど、批評家からも絶賛を浴びた。だがイギリスでは公開直後から映画を真似た凶悪犯罪が相次いだため、上映禁止に。キューブリック監督が他界した99年になって、ようやく再上映が実現した。
米Indiewireによれば、このほど発見されたのは「A Clockwork Condition(原題)」と題された200ページにおよぶ原稿で、哲学的考察と自伝的な要素を併せ持つノンフィクション小説だというが、「時計じかけのオレンジ」で取り上げた“人間のありよう”というテーマをさらに深く追求した内容であることから、続編と位置づけて間違いはないという。
バージェス氏は自ら書き記した抄録のなかで、「テクノロジー……、とりわけ映画やテレビなどのメディアが人間性に及ぼす影響に関する私的な懸念」を中心に、「現代における人間のありように対する哲学的な熟考をつづったもの」と同書について解説。さらに、「兵役を終えて故郷に戻った1945年のある日、ロンドンのパブでコックニー訛りの老人が、誰かのことを『時計じかけのオレンジみたいにヘンな奴』と言っているのを耳にした。それから20年近くずっと、いつか何かのタイトルに使いたいと思っていた。古風な比喩的言い回しだが、伝統へのこだわりと突飛な技法が組み合わさったあの小説には、まさにぴったりのタイトルだった」と独創的なタイトルにまつわる秘話も披露している。
奇しくもキューブリック監督の没後20年にあたる今年、ロンドン・デザイン博物館で回顧展が開催されるなど、キューブリック作品に再び注目が集まるなか、今回発見された未発表の続編も日の目を見ることになるのか、期待が高まる。
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