フィンランド映画史上最大の製作費&大ヒット!“規格外”の戦争映画、予告編公開
2019年4月6日 16:00
[映画.com ニュース] フィンランド映画史上最大の製作費(約700万ユーロ、1ユーロ=125.4円換算で約8.7億円)が投入され、同国で史上最高の興行収入(約1560万ドル、1ドル=111.6円換算で約17.4億円)を記録した「アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場」の予告編が公開された。
第2次世界大戦中にフィンランドと旧ソ連の間に勃発した戦いを描き、撮影ではフィンランド国防軍の全面協力のもと、1万4000人以上のエキストラを動員。ワンテイクで70.54キロもの火薬を使用し、「ワンシーンに用いられた最大の火薬量」がギネス世界記録に認定されたという“規格外”の迫力あふれる映像が完成した。
アク・ロウヒミエス監督(「4月の涙」)がメガホンをとり、フィンランドの国民的作家バイノ・リンナ氏による古典小説「無名戦士」を映画化した。2017年10月にフィンランドで公開されると、7週連続で興行成績第1位を獲得。観客動員は100万人を突破し、人口550万人のフィンランド国民の約5人に1人が映画館に足を運ぶという大ヒットとなった。101年前に独立を果たしたフィンランドが、国境にあるカレリア地方の領有をめぐり旧ソ連に戦いを挑み、当時の人口400万人のうち50万人が従軍したという「継続戦争」。最前線で苛烈な戦闘に身を投じる4人の兵士たちの視点から、戦争とそれぞれの家族をめぐる人間ドラマを紡ぐ。
カレリア地方とは、フィンランドの民族叙事詩「カレワラ」や、作曲家ジャン・シベリウスの交響詩「フィンランディア」の原点となった場所。原作「無名戦士」は本作で3度目の映画化となり、独立記念日には旧作がテレビ放送され、人々がかつての悲劇や平和を見つめ直す機会となっている。
予告編には、森林地帯や大河、そして雪原などフィンランドの豊かな自然環境を生かしたカットが切り取られている。1941年から44年にかけて行われた戦争の激しい戦闘シーンとともに、「死にたくないから敵を殺してるだけだ」という極限状態に置かれた兵士の言葉も。さらに、妊娠中の妻と家族を残して最前線に駆り出されるベテラン兵士や、結婚式を挙げてすぐに戦場に旅立った若き青年の姿が映し出され、戦争被害者たちの苦しみがにじむ映像となった。
「アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場」は、6月22日から東京・新宿武蔵野館ほか全国で順次公開。
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