鷲巣義明氏&高橋ヨシキ氏、「ハロウィン」40年ぶり続編の魅力を語り尽くす
2019年4月6日 14:00

[映画.com ニュース] 1978年にジョン・カーペンター監督が生み出した名作ホラーの40年後を描いた続編「ハロウィン」の公開記念トークショーが4月5日、都内で行われ、映画文筆家の鷲巣義明氏、デザイナーで映画ライターの高橋ヨシキ氏が出席した。
40年前のハロウィンに起きた凄惨な殺人事件の犯人、ブギーマンことマイケル・マイヤーズがハロウィン前夜、事故で横転した輸送車から逃げ出し、再び街に解き放たれる。カーペンターが製作総指揮のほか音楽も担当。78年版で唯一の生き残りだったローリー役のジェイミー・リー・カーティスが、同じ役で再出演している。
鷲巣氏は高校時代、「ハロウィン」(1978)を見て「すごい衝撃で、ほれ込んでしまった。映画業界に入っちゃったのも『ハロウィン』のせいだし(笑)、ロスのオフィスで本人に取材もした」と語るほどのカーペンター監督研究の第一人者。「40年前に恐怖を味わったローリーが、いかにマイケルに執着し、彼を倒すことで立ち上がろうとする姿がメインに描かれている。女性復権の映画であり、40年後の今、続編が作られた意味はそこにある」と分析した。
また、本作のメガホンをとるデビッド・ゴードン・グリーン監督の出世作「ボストンストロング ダメな僕だから英雄になれた」を例に挙げ、「こちらはテロで傷ついた青年が、いかに立ち直るかを描いているので、映画の骨格としては似ている」と話していた。
高橋氏もグリーン監督が“ホラー畑”ではない点に注目し、「ペースも穏やかで、ちょっと牧歌的……、というと言葉が間違えているかもしれませんが(笑)。その古き良き雰囲気が良かった」。一方、劇中にはシリーズへのオマージュも多数あると指摘し「マーベル映画にも言えるが、こんなかゆいところに手が届くような作品をつくる時代なんだなと思う」と驚いた様子。そして「追求しても何者なのか見えてこず、全然わからない。そこが面白い」(鷲巣氏)、「殺しても死なない不気味さ。そして、空っぽであることが恐ろしい」(高橋氏)と時代を超え、ファンを引き付ける殺人鬼ブギーマンことマイケル・マイヤーズの魅力を語り合った。
「ハロウィン」は4月12日から全国公開。R15+指定。
(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS
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