長尺版「この世界の片隅に」12月20日公開決定 片渕須直監督「実はまだ製作中」
2019年3月30日 06:00
[映画.com ニュース] 片渕須直監督の劇場アニメ「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」の公開日が、12月20日に決定した。片渕監督は3月29日、真木太郎プロデューサーと共に東京・テアトル新宿での「公開日発表イベント」に出席し、製作状況や公開日を報告。第2弾特報映像も初披露された。
本作は、2016年11月に公開された「この世界の片隅に」に約30分の新規シーンを追加した長尺版。当初は18年12月公開を目指していたが延期となり、19年内の公開に向けて製作が進んでいた。「公開日発表イベント」という風変わりなイベント名に対し、片渕監督が「なんて言ったらいいのかわからないのですが、実はまだ製作中であるもので、『できました!』と皆さんに言うことができる場ではないので……。こちらとしては、気合と根性がないと、ここには立てないのですが(笑)」とぶっちゃけると、場内は温かな笑いに包まれた。
長尺版の製作は17年に発表され、18年7月に第1弾特報映像とビジュアルが披露された。片渕監督は「去年の7月の段階では、頑張ればなんとかなるかなという意気込みがあったのですが、物理的な問題がいろいろあって。ぜんぜん進んでいないという感じがあった」「少数精鋭でやっているものですから、加速がそんなにできないということもありまして」と告白。公開日がプリントされたシールをポスターに貼ると、「まだしばらく先になりますが、ご期待いただけるとうれしいなと思います」と照れくさそうに語り、客席に向かって一礼した。
公開日を12月にしたのには“ある意図”があるそうで、片渕監督は「(当初の公開日から)丸1年伸びてしまう。すぐに見れると思った皆さんには申し訳ない」と謝罪すると、「戦争、第二次世界大戦を描いた映画は、8月のものではないかと言われてしまいがちですが、この映画はそうではないものとして前に出していく。戦争というのは8月だけのものではない。ずっと続いている毎日としてとらえてほしいと思ったので、冬に公開するのがよいのかなあと。まあ、正直言うと8月は無理ですよね(笑)」と説明する。
公開は年末まで“おあずけ”となったが、「12月までの期間にもいろいろある予定です」と続け、今後の展開として「応援チームの参加者の募集」を発表。「この世界の片隅に」といえば、クラウドファンディングで支援者を募り、映画のエンドクレジットには2200人の支援者の名前が並んだが、応援チームの参加者も名前がクレジットされるという。応援チームの参加者のもとには名前が入った名刺が届き、「その名刺をお友達や仕事仲間に配ることで、映画の応援をしていただきたい。映画を届けていただくという主旨で応援チームを作りました」(真木氏)。名刺の制作費などは参加者が負担することが決まっており、金額などの詳細は5月下旬に公式Twitterなどで発表される。
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