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フェリシティ・ジョーンズ、“世紀の裁判”描く「ビリーブ」出演即決の理由は?

2019年3月21日 17:00

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ルース・ギンズバーグの若き日を演じた
ルース・ギンズバーグの若き日を演じた

[映画.com ニュース]「博士と彼女のセオリー」でアカデミー賞主演女優賞候補になり、「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」では果敢なアクションに挑戦するなど幅広い活躍を見せるフェリシティ・ジョーンズ。彼女が「こういう役柄をずっと探し求めていた」と語るのが「ビリーブ 未来への大逆転」で演じた、実在のアメリカ合衆国最高裁判所の女性判事ルース・ベイダー・ギンズバーグである。

85歳にして現役判事として活躍し、“RBG”というイニシャルで、現代アメリカの文化的アイコンとして親しまれる存在となっているギンズバーグ。彼女がいかにして、現在の男女同権の道を切り拓くための法廷に身を投じることになったのか? 1960年代から70年代にかけての戦いを描き出す。

以前から出演作品を選ぶ際に「作品が持っているメッセージ性や思想を大切にして、それを信じるからこそ引き受けるようにしている」というジョーンズ。ギンズバーグについて、その存在や功績は知りつつも「彼女がどんな道を歩み、いかに戦ってきたのか詳しくは知らず、脚本で初めて触れた」とのことだが、女優として、一人の女性としてギンズバーグにひきつけられ、出演を即決した。

「仕事や人生において試練にぶつかり、立ち向かっていく女性をずっと演じたいと思ってたの。この映画は伝記というよりは、いかにしてこんなに素晴らしい女性が誕生したのか、その道のりを描いている。加えて素晴らしい家族のドラマでもあり、ユーモアのセンスもあり、自分の“女優としてやりたいことリスト”の全ての項目にチェックがつくような作品だった」。

残されている映像資料を参考にするのはもちろん、ギンズバーグ本人にも対面し、話を聞いた。「彼女のすさまじいまでの集中力、いかに真剣に仕事に向き合い、楽しんでいるかを感じ、彼女が何に突き動かされているのかを、直接会ったことで理解を深めることができたわ」と振り返る。

演じるうえで軸となったのは「LOVE(愛)」と「ANGER(怒り)」という2つの感情。「長い歳月を超えて、彼女の核にはずっと愛があったと思う。そして、社会の不公正に対する怒り。それが彼女の中に消えずにあり続けたからこそ、彼女は戦わなくてはいけないと思ったのだと思うし、お金や虚栄心を満たすためではなく、大義、善のための行動だったのだと思うわ」。

クライマックスは法廷での最終弁論。圧倒的に不利な状況の中で、彼女が静かに、しかし力強く語る言葉は人々の心に深くしみわたっていく。映画史に刻まれるスピーチシーンの一つとなったが、ジョーンズは役を演じながらも「フェリシティ・ジョーンズとしてあの場に立っているかのような感覚に陥った」と明かす。

「脚本を書いたダニエル・スティープルマンは、ギンズバーグの実の甥なのだけれど、彼の言葉の力を強く感じたの。『100年前、私(=女性)はこの法廷に立つことはできませんでした』という言葉もそうだし、いかに先人たちが多くのことを成し遂げてきたのか、いかにして一つの世代から次の世代へと戦いのバトンが継承されてきたのか。だからこそ、いかに権利のために戦うというのが重要なのかを改めて感じながら、あの場に立っていたわ」。

現在35歳。ちょうど30代を折り返したところだが、一つずつ年齢を重ね、さまざまな役柄にトライしていくのを楽しんでいるように見える。やりたいこと、演じてみたい役は山ほどある。

「いま、やりたいのはファンタジー映画の魔法使いの役かしら(笑)? でもホラーは好きじゃないの。あの世界に撮影の2~3カ月もいるのはごめんだわ(苦笑)。若い時と何が違うかと言えば、自信がついて、自分が何を求めているかがより明確になり、落ち着きを手にしたことかしら。やりたいことを形にするのは時間がかかるけど、でもしっかりとやるべきことを見極めて、考えながら進んでいかないと、あっちからやって来る企画を待つだけになってしまう。そう思って、自分なりに企画を生み出すという作業も少しずつ進めているの」。

映画で描かれる半世紀前の一人の女性の言葉や行動が現代の観客の心を揺さぶるのと同様に、現代を生きる彼女の行動や言葉も未来の女性に向けた強いメッセージとなるはずだ。

ビリーブ 未来への大逆転」は3月22日より公開。

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