【ホラー映画コラム】OSOREZONEの「怪談新耳袋」でホラーライフが捗る!劇場版2作品はココを見よ
2019年3月9日 21:00
[映画.com ニュース] Twitterのホラー界隈で知らぬ者はいない、“人喰いツイッタラー”こと人間食べ食べカエル(@TABECHAUYO)が、ホラー映画専門の動画配信サービス「OSOREZONE」で配信中のオススメ作品を紹介するコラム「人間食べ食べカエル テラー小屋」。第2回は、人気作「怪談新耳袋」シリーズです。
皆さんは「怪談新耳袋」をご存じだろうか。知らない方の為に説明すると、日本全国のありとあらゆる恐怖体験を集めた実話怪談集「新耳袋」を原作としたホラードラマである。この作品の最大の特徴は1話あたり5分という驚異の短さだ。空いた時間に気軽に見られるため、ホラーのスナック菓子的な感覚で楽しむことができる。各エピソードの内容もガチのホラーからコミカル系、不条理モノなどバラエティに富んでおり、もう1話、あともう1話と見ているうちに気付けば時間が経ってしまう。
実はホラー専門配信サービスOSOREZONEでは、すでに「怪談新耳袋」ドラマ版の第1~5シーズンが配信されている。つまり朝起きたら新耳袋、移動中に新耳袋、休憩中に新耳袋などなど、我々が日々送っている生活の随所に新耳袋を挟み込む新耳袋ライフハックが可能となるわけだ。そして、OSOREZONEに第2弾の配信ラインナップが追加されたのだが、そこに劇場版として作られた新耳袋2作品も含まれている。OSOREZONE、新耳袋の福利厚生がやたら充実している。というわけで前置きが長くなってしまったが、今回のテラー小屋では、新たに追加された「怪談新耳袋 劇場版」と「怪談新耳袋 劇場版 幽霊マンション」をピックアップして紹介したい。
まず「怪談新耳袋 劇場版」だが、こちらは短編・中編からなる複数のエピソードで構成された作品だ。本作については、唐突に出てきたバスケットボールを持った異常に白いお婆さんの霊がすごい勢いで迫ってくるやつ、と言えば大体の人は「あ~、あれね」となるのではないかと思う。あの(色んな意味で)衝撃的な映像が最も有名な作品ではあるが、他にも、霊現象をすべて気のせいで済ませる警備員のすっとぼけた様子が笑いを誘うもどこか空恐ろしい「夜警の報告書」や、女子学生(演じるは堀北真希)が体験する恐怖を描く真っ向勝負のホラー「視線」などといった珠玉のエピソードがそろっている。
中でも個人的に気に入っているエピソードが、「未来忍者 慶雲機忍外伝」「ゼイラム」などでお馴染みの雨宮慶太監督が手掛けた「約束」だ。ある男が叔父の家で長期間の留守を頼まれる。何をしてもいいが、ひとつだけ守ってほしいと約束させられたのが、いつ何時でも名前を呼ばれたら必ず返事をすること。彼は最初のうちはそれを守っていたが、やがて……という内容。最後に待ち受ける映像のインパクトはバスケットボールババアを遥かに超えるレベルで凄まじく、さすがは雨宮監督と感心する仕上がりである。
続いて「怪談新耳袋 劇場版 幽霊マンション」だが、こちらはオムニバスではなく新耳袋初の長編である。父と娘が引っ越してきたマンションは、夜の0時までに敷地内に戻らないと必ず死ぬ、門限が厳しすぎる呪われたマンションだった!という内容だ。マンションからどんなに離れても日付が変わった瞬間死ぬし、一度入居したら、新しい人が入ってきて、かつその時に自分が一番古い住人じゃないと出られないというハードすぎるルールが恐怖を煽る。このアルティメット事故物件と比べれば、壁にサワガニが侵入するくらいかわいいもんだ。
本作は、そんなマンションに引っ越してしまった少女を中心に、マンションの呪いに蝕まれる住民たちの姿も交えながら物語が進んでいく。その地獄の果てに待ち受ける意外なラストには思わず唸ってしまった。超短編という特性上、良くも悪くもインパクト重視のイメージがある新耳袋だが、本作は最後までしっかりと展開の練られた長編ホラーとして文句ない仕上がりとなっている。
というわけで今回は「怪談新耳袋」の劇場版2本を取り上げて紹介させていただいた。文字数の都合上内容には触れなかったが、3月13日から配信予定の「怪談新耳袋 ノブヒロさん」も逃れようのない恐怖が味わえる良作なのでおすすめである。ちなみに「怪談新耳袋」には、現在配信されている作品以外でも、顔面が牛の女が襲ってくる「牛おんな」や、対象に見せるだけで命を奪うことができる凄すぎる顔を持つ霊が出てくる「すごい顔」など、個性豊かな作品があるのですが、それはまた配信された時にでも……。
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