カイコから生まれた「少女邂逅」 富岡製糸場の世界遺産がきっかけ
2019年2月11日 06:00
[映画.com ニュース] “映画×音楽”をコンセプトとした「MOOSIC LAB 2017」で観客賞に輝いた「少女邂逅」が2月10日、「さぬき映画祭2019」が開催中の香川・高松の情報通信交流館 e-とぴあ・かがわで上映され、枝優花監督、出演者の里内伽奈が舞台挨拶に登壇した。
「応援する映画祭」という今年のテーマに合わせて、セレクトされた新進監督による本作は、監督自身の体験を基にした青春映画。いじめが原因で声が出なくなったミユリ。山で拾ったカイコに“紬”と名付けて大事に飼っていたが、ある日、いじめっ子に捨てられてしまうことに。唯一の友を失い、絶望するミユリの前に、カイコと同じ名前を持つ富田紬が転校してくる……というストーリー。
枝監督は「よく『邂逅』と『カイコ』を引っ掛けていますか? との質問を受けるのですが、その通りです。18歳の時、私の地元、群馬県で富岡製糸場が世界遺産に登録され、日頃、カイコのことを気にしていない人たちが熱狂していました。そう言えば、私もカイコの生態は知らないと思って、調べてみたら、人間と共通する部分を見つけて、面白いなと思った。そこから、自分の経験を紐づけてみました」と明かした。
主演は、ミスiD2016グランプリの保紫萌香(ほしもえか)とファッション雑誌「装苑」の所属モデル、モトーラ世理奈。「主演のふたりは長編初挑戦だったので、芝居を制約するようなことはしませんでした。テクニック的なところを求めると、それに応えようとすると思ったので。本人たちの芝居を1回見てから、カメラの場所を決めていきました。とはいえ、私もカメラマンも経験があったわけではないので、24時間営業のファミレスでカメラワークについて語り、寝泊まりも共にしました」と振り返った。
2017年には劇場公開、1月にはブルーレイ&DVDも発売されており、枝監督は「割といろんな人に観ていただいて、私の手を離れたなと思っていましたが、新しい方に見ていただいて、うれしいです。分からないところもあるかと思いますが、それでいいと思っています。みんなで映画を見ることが体験になるわけですから」と話していた。また、出演者の里内は「脚本の段階では、スーと頭の中に入っていく作品ではなかったので、どういう映画になるのかと思いました。繋がったものを見た時には『映画になっている!』と思いました」と振り返った。
「さぬき映画祭2019」は11日まで開催。
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