ロブ・ライナー監督が来日「自由なメディアなしに民主主義は成り立たない」
2019年2月1日 19:00

[映画.com ニュース] イラク戦争の大義名分となった大量破壊兵器の存在に疑問を持ち、真実を追い続けた記者たちの奮闘を描いた「記者たち 衝撃と畏怖の真実」を発表したロブ・ライナー監督が来日、2月1日に日本外国特派員協会で記者会見を行った。
2003年から温めていた企画であり、さまざまな取材から得たエビデンスを基に「政府は9・11前からイラク侵攻を行うと決めていた」と確信を持ったそうで、「自分自身がベトナム戦争で徴兵される年齢になってから、その後2003年のイラク侵攻という過程に怒りを感じていた。嘘が根拠となって戦争がおき、カタストロフィが起こるのを見て、なぜこういうことが起こるのかという思いでこの映画を作りました」と語る。
リンドン・ジョンソン米元大統領の報道官だったビル・モイヤーズのドキュメンタリーで、地方新聞社を傘下にもつナイト・リッダー社の記者たちの存在を知り、今作のプロジェクトが始まった。それ以前は「『博士の異常な愛情(または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか)』のような風刺映画やドラマ作品で表現しようと思っていましたが、うまくいかなかったのです」と明かし、「真実を届けようと戦ったが届かなかった4人の記者の存在を知り、健全なる民主主義は独立した自由なメディアなしには成り立たない」と作品のテーマを主張。「撮影中に大統領選があり、トランプが当選し、メディアが攻撃されている。彼は権威主義、独裁政治のプレイバックそのもの。今、独裁政治と民主主義の闘いのテンションが高まっている」と持論を述べた。
会見には元ナイト・リッダー社の記者で、ケン・モリツグ氏も参加。作品を見て「胸が熱くなりました」と感想を語り、「4人の記者がフラストレーションを持ちながら仕事をしていた。その声が誰にも届かなかったということが伝わると思います。こういった記事があったことも知らない人も多い。民主主義が機能するために、ジャーナリズムが必要」と訴えた。
「記者たち 衝撃と畏怖の真実」は3月29日から東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国で公開。
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