伝説の7時間18分――タル・ベーラの傑作「サタンタンゴ」初の劇場公開決定!
2019年1月24日 13:00
[映画.com ニュース] ハンガリーの名匠タル・ベーラが手がけた伝説の傑作「サタンタンゴ」が、初めて劇場公開されることが決定した。総尺7時間18分という長大な物語――ジム・ジャームッシュ、ガス・バン・サントといった監督たちに大きな影響を与え、スーザン・ソンタグは「7時間すべての瞬間が圧倒的で心を奪われる。残りの人生で毎年見たい傑作」と評している。
「ニーチェの馬」を最後に、56歳の若さで映画監督からの引退を表明したベーラ監督。1994年に発表した「サタンタンゴ」は足かけ4年の歳月をかけて完成させた野心作だ。原作は、世界的権威のある英文学賞のブッカー国際賞を受賞したクラスナホルカイ・ラースローの同名小説。全編約150カットという驚異的な長回しで描かれており、製作から25年経った現在でも、映画批評サイト・ロッテントマトで100%の評価を維持し続けている。
舞台となるのは、ハンガリーのある村。降り続く雨と泥に覆われ、活気のない村に死んだはずの男・イルミアーシュ(ビーグ・ミハーイ)が帰ってくる。彼の帰還に惑わされ、さまよう村人たち。果たしてイルミアーシュは救世主なのか? それとも…。
日本では映画祭上映のみだった「サタンタンゴ」。今回の劇場公開は、35ミリフィルムにこだわり続けてきたベーラ監督が初めて許可した4Kデジタル・レストア版での上映。同バージョンは、2月7日(現地時間)から開催される第69回ベルリン国際映画祭フォーラム部門でもお披露目される。
「サタンタンゴ」4Kデジタル・レストア版は、9月から東京・渋谷のシアターイメージフォーラム、ヒューマントラストシネマ有楽町で公開。