SUGIZO「もっと僕らは動いてもいい」 難民問題映した「ヒューマン・フロー」に感激
2019年1月19日 13:00
[映画.com ニュース]中国の美術家、アイ・ウェイウェイが世界の難民問題に迫った映画「ヒューマン・フロー 大地漂流」トークイベントが1月18日シアターイメージフォーラムであり、LUNA SEA/X JAPANのSUGIZOが作品の魅力を語った。音楽活動の傍ら、人権、環境問題にも取り組むSUGIZOは「もっと僕らは動いてもいい」と、自らアクションを起こすことを呼びかけた。
映画に感銘を受けたというSUGIZOは「現状の世界の問題を分かりやすく訴えかけていると同時に、監督は現代美術アーティストなので、ドキュメンタリーとして素晴らしいのと同時にアート作品としても素晴らしい。難民、人権の問題は重いテーマですが、それを美しく見せていて、音楽も映像の切り方、色、あらゆる面がアートとして素晴らしい。現在の地球で最も大きな危機を伝える有効な手段として未来がちょっと見えた気がした」と絶賛。
そして「映像が美しく、節々で美しい詩が出てきます。それが天から神が救いの手を差し伸べてくれるような美しい言葉で、もちろん難民問題の解決の糸口は見えてこないけれど、われわれの生き方や倫理観の方向性によってはいつか解決できる、そんな光が見えてくるような詩」「(映画内のインタビューで出てくる)ヨルダンの王女の言葉にすべてがある、あとはシリア人宇宙飛行士の言葉。二人の言葉がわれわれ人類の持つべき意識だと思った」と見どころを語った。
その一方で監督が発言した「映画では伝わらない」という言葉を取り上げ、自身の経験も挙げながら「行ったからこそあの空気や雑踏がわかる。行かなきゃ、体験しなきゃ分からない。それは難民キャンプ、紛争地、被災地ももちろんそう。メディアで見ているだけだとあのにおい、暑さ、寒さは分からない。だから、僕らはもっと行動していいと思う。難民の皆さんに会いに行っていいと思うし、被災者に会いに行って手を握るべきだと思う。僕らはもっと動いていい、動くべきだとこの映画を見て再認識させてくれた」と自ら動くことの重要性を強調した。
さらに鑑賞前の観客に向け「ボートに乗った人たちはどういう気持ちだと思う?トイレに行きたかったり、おなかもすいているだろう。それでも彼らも僕らも生きたい、みんな生きることを許される権利がある。力やお金や権力がある人、力がなく貧困層にいる人、難民も命の重さは同じ。動物も植物もすべての命あるものが尊いと思う。みんな同じ生きる権利があり、幸福を享受できる権利がある。目をそらすべきじゃない」と訴えた。
今後の活動については「難民の子供たちは不遇な状況にいることで、過激で暴力的な世界に引きずられてしまう。みんな何かトラウマがあるので、それを復讐に変換して、戦闘員になりたがる子供も少なくない。そういう子供たちに武器じゃなくて楽器を持ってほしい。傷を表現のほうに向けてほしいし、不遇はアーティストのエネルギーとしては素晴らしいものに変換できるので、今後はあらゆる難民キャンプのために子供たちのためにやっていきたい」と方向性を語った。
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