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松永大司×デグナー×エドウィン「アジア三面鏡」を通じた“気づき”を告白

2018年10月27日 17:00

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それぞれの“気づき”とは?
それぞれの“気づき”とは?

[映画.com ニュース] 第31回東京国際映画祭のマスタークラス「『アジア三面鏡』シンポジウム」が10月27日、六本木アカデミーヒルズで行われ、オムニバス映画「アジア三面鏡2018 Journey」でメガホンをとった松永大司監督、デグナー監督、エドウィン監督が出席した。

国際交流基金アジアセンターと東京国際映画祭の共同プロジェクトで、「」をテーマに製作されたシリーズ第2弾。性格の異なる母娘を活写したロードムービー「海」を手がけたデグナー監督は、第28回の「アジアの未来」部門上映作品「告別」の脚本を執筆した際に「ある程度の物語は書き上げていた」と同作が“続編的位置づけ”であることを告白。そして「大きな違いはプロの俳優を起用した点。『告別』ではリアリスティックな描写を求めていたので、今回は新しい試みだった」と明かし、3作を通じての気づきは「意図したことではないのですが、互いの作品が“鏡”になっている」と語っていた。

マンネリ化したインドネシア人夫婦を描いた「第三の変数」のエドウィン監督は、自由が丘、等々力渓谷、錦糸町などで撮影を敢行。劇中で描かれる橋でのシーンは、日本を訪れてから書き上げたアイデアだったようで「私の経験に基づいています。(大雪の影響で)渋谷で2時間くらい電車に乗れなかった日のこと。電車に乗る際、あふれかえっていた人々に車内へ押されたんです。自分の足はどこにいってしまったのかと思うほど、スリルな体験。車内のぎゅうぎゅう状態から解放された感覚を自分なりに表現しました。日本人にとっては見慣れたものなのかもしれませんが、非常に抑圧された環境でした」と振り返っていた。

長谷川博己が主演した「碧朱(へきしゅ)」の松永監督は、「作品のテーマとは別として“作家的な瞬発力”を試してみたいと考えていて、ドキュメンタリーを撮るような感覚で(現場に)入ってしまおうと思っていました。だから、カメラのレンズ、アングルのほとんどを自分で初めて決めました」と述懐。そのドキュメント的な撮り方だったからこそ、長谷川を主演に起用していたようで「役者としてのオーラや自己主張を外してもらえる方。日常のなかの人として生きてもらえたらいいなと。役作りをせずに、(自分と)同じように見て、感じて、そこに立っていてくださいという形でやらせていただきました」と話していた。

さらに「映画は記録メディアとしての側面を持っていて、50年前、100年前の映画を見た時に、そこの風景も一緒に映し出されている。ですが、(許可の関係上)今の東京を広い画でとらえることは厳しく、狭い画で撮っていくしかない。狭い画で撮るというのは狙い通りならばいいのですが、狭くなる分、スクリーンで見る必要性がなくなるんです。テレビ、スマホで見ても、情報量が一緒になってしまう点に危惧を感じています」と胸中を吐露した松永監督、一方、ミャンマーでの撮影は「当然許可をとってもらって撮影している。つまり許可をとれば広い画を撮らせてもらえるんです。線路の上、電車の中にもカメラを置くことができる。広い画を撮れるというのは、本当に魅力的なことでした」と驚きを隠せない様子だった。

第31回東京国際映画祭は、11月3日まで六本木ヒルズ、東京ミッドタウン日比谷などで開催。

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