「オズランド」波瑠&西島秀俊が今だから明かす“仕事論”
2018年10月25日 17:00

[映画.com ニュース] 「海猿」シリーズの原案や「S 最後の警官」の原作で知られる作家・小森陽一氏の小説を映画化した「オズランド 笑顔の魔法おしえます。」で初共演した波瑠と西島秀俊が、インタビューに応じた。部下と上司を演じた2人が、撮影を振り返ると共に仕事への向き合い方を語った。
本作は、地方の遊園地で希望していなかった仕事に就いた主人公・波平久瑠美(波瑠)が、ポジティブな上司・小塚(西島)や、ひとくせもふたくせもある従業員たちに囲まれて成長していく姿を描く。
前向きなメッセージがたくさん詰まった本作から、部下と上司という関係を演じた2人も元気をもらえたようで、波瑠は「今すでに働いている方や、新卒で働き始めた方に見ていただけたら、こんな風に楽しく仕事したいなって感じてもらえると思います。特に女性の方は恋愛にしても共感できる部分がたくさんあると思う」とアピールし、西島も「働いていて今壁にぶつかっている方や、仕事と恋愛の両立に悩んでいる方に見ていただくと、見え方一つで世界が変わると思ってもらえるはずです」と自信をにじませる。
撮影は、熊本に実際にある遊園地グリーンランドリゾートの全面協力のもと行われた。波瑠は「遊園地って非日常を味わえる場所なのに、撮影で1カ月毎日通うことで日常の場所になりました(笑)。グリーンランドのホテルに泊まったので、グリーンランドで仕事してグリーンランドに帰って、窓を開けてもグリーンランド。なかなか味わえない体験でした」、西島も「園内が広くて移動が大変なので、2人乗りリフトだったり、園内を走っているバスやコースターに乗せてもらって移動することもありました。遊びと仕事が一体化して、楽しかったです」と遊園地ならではの撮影を満喫したようだ。
グリーンランドでの日々を過ごし、波瑠は“役者”と“遊園地の従業員”という仕事を「似ている」と指摘する。「私たちは地道な作業を積み重ねていって、華やかな表に出すところが共通していると思います。そこまで華やかなものを想像してこの仕事を始めたわけじゃないですが、思い返してみると地味な期間は長かったです」と分析した。
「私は久瑠美と違って、プライドみたいなものがないままこの仕事を始められたので、地味な期間があっても特に何も思わなかったです。ある意味ラッキーでした」と笑う波瑠だったが、仕事を続けるうえで独自の“こだわり”がある。「私の出演作品は事務所が選んでくれるのですが、そのことに大きな意味があると思っています。自分で選びだしたら好みが入ってしまって、お仕事の幅が狭くなってしまいそうな気がするんです。どんどん自分の可能性を広げていきたいので、それはずっと変えないところです」と明かす。女優として、人間として成長できたのも事務所の方針が大きかったようで「急に台本を渡されて、現場に行ってらっしゃいと送り出されたこともありました(笑)。今となっては、そのおかげで現場の皆さんとのコミュニケーションの取り方を覚えるきっかけにもなったので、よかったなと思っています」。
久瑠美を社員として導いてくれる小塚を演じた西島は、デビュー当時「はぐれ刑事純情派5」で故・藤田まことさんと出会い、その経験が今も仕事を続けていく大きな糧になっているそうだ。「藤田さんからは、仕事の楽しさも厳しさも教えていただきました。『セリフがおかしいと感じたら俺に言え、上に伝えにくいだろうから俺から言うよ』と声をかけていただいたり、仕事後には『さっきの演技よかったよ、飯行こう』と誘っていただいた。撮影の最後には、藤田さんが『本業をゆっくりと』という言葉を色紙に書いてくださったんです。僕は今までずっと順調だったわけではないですが、その言葉をどこかに思いながら今まで歩んできました。そういう時期に藤田さんと出会えたことが、自分のなかでは一番大きいです」。
最後に、久瑠美が徐々に仕事を楽しんでいくのと同じように、2人にも仕事のやりがいを感じる瞬間を聞くと、ともに“現場”への深い愛情が伝わってきた。
波瑠は「私たちが裏を用意するそのさらに裏を用意する方々がいます。作品に関われば関わるほど、いろんな方が組み立ててくれた土台があって、私たちの土台が整っているんだなっていう偉大さは年々大きく感じるようになりました。なので、現場の皆さんが笑ってくれるとうれしいです。この人たちを笑顔にできるために頑張りたいっている気持ちも生まれるようになりました。自分一人でやっていないというのはすごく大きいです」と感謝を伝える。
「こんなに面白い仕事はないって思っているけれど、なんでなんだろうなぁ」と首をかしげた西島は、「最高の仕事なんですけれど、だからこそやめられなくなるから、若い時に先輩から『やめるなら早めに見切りをつけろ』と言われたことがあります。やめられなくなってしまうくらい面白いんですよね」と実感を込める。「今回の撮影は、グリーンランドが開園してお客さんもいるなかで撮影しているので、撮影が終わって飲みに行ったときに『観覧車で待っていたの俺だよ』ってお客さんに声をかけていただいたりして、地元の方々も一緒に作品を作っている感じがすごく楽しかった。役者を続ければ続けるほど、もっともっと面白くなります」と続けてきたからこそわかる魅力を力説した。
「オズランド 笑顔の魔法おしえます。」は10月26日から全国で公開。
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